主要PCメーカー4社では、「Windows Media Player」非搭載のWindowsをPCにプリインストールして販売する計画がないことが、判明した。Windows Media Player非搭載のWindowsは、European Competition Commissionerの裁定に応じてMicrosoftが提供開始したものである。
Microsoftは現地時間15日にWindow XP Nの新しいバージョンを発売した。しかし、ZDNet UKの取材を受けたすべてのPCメーカーで、同バージョンをプリインストールしたデスクトップやノートPCを販売する計画がないことが判明した。
Dell、Hewlett-Packard(HP)、Lenovo、Fujitsu-Siemensの各社は、Windows XP Nをインストールする計画は現時点ではないと述べた。理由として、各社は、顧客からそうした要求を受けていない点を挙げている。Dellの関係者は米国時間14日、顧客はWindows Media Playerの搭載を望んでいると付け加えた。
(写真提供:Microsoft) |
「Dellは今後も、Windows Media Player搭載版のWindowsをインストールしたDimensionデスクトップとInspironノートPCを欧州で提供していく」と同関係者は述べた。
「顧客は、デジタルメディアファイルの再生機能を備えていることを期待してPCを購入している。この需要を満たすのは、われわれの義務だ。今のところ、(Windows XP Nを提供する)予定はない。XP Nに対する需要の高まりがないか、市場をモニターし続ける予定だ」(同関係者)
5月にIBMのPC部門買収を完了させたLenovo、そしてHPも同様の考えを表明した。
「HPでは、2005年中にWindows XP Professional Edition Nを市販のノートPCでサポートする計画は今のところ全くない」とHPの関係者は述べた。
Lenovoの関係者は、「デスクトップやノートPCにWindows XP Nをプリインストールする計画は、今のところない。今後も顧客の需要動向の把握に努める」と述べた。
Windows XP Nのプリインストールを検討しているメーカーは、富士通シーメンスだけであった。ただし、同社も、プリインストールは要求に応じて行うとしている。富士通シーメンスの関係者によると、「プリインストールは、標準では行わない。要求があった場合は特別にプリインストールを行う。今のところ、顧客からそのような依頼はされていない」という。
Windows XP Nに対するPCメーカー各社の関心が低いことから、欧州連合(EU)が下した独占禁止法違反是正命令を疑問視する声が上がっている。特に問題視されているのは、EUがMicrosoftに対して、従来のWindows XPと同じ価格でWindows XP Nを提供することを認めた点である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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