Field夫妻は、フロリダ州タンパを拠点とするAnimeNation.comという会社を経営している。AnimeNation.comでは、日本のアニメを専門に取り扱うコミュニティウェブサイトを運営したり、オンライン/オフラインの店舗を運営したりしている。同社が1年前に立ち上げた子会社RentAnime.comは、Netflixと同様、郵送による月額ベースのDVDレンタルサービスを提供している。このサービスがNetflixと大きく異なるのは、取り扱っている商品がアニメかアニメ関連のDVDのみである点だ。
Field夫妻にとって、AnimeNation.comの新規株式公開(IPO)を通して一儲けすることなど、夢のまた夢かもしれない。だが、同社のサービスは、Netflixなどの大手が参入していない特定の市場で高い人気を獲得している。同社は、大手企業がひしめくDVDレンタル市場で、小規模なオンラインレンタル会社が存続し得ることを証明しているとも言える。
「われわれなりに成長の痛みを経験してきた」とFieldは振り返る。「商品に対する需要が想像を絶するほど高い。われわれは当初、こんなに高い需要があるとは考えていなかった。だが、われわれも少しずつ体制を整え、確実に成長している」(Field)
RentAnime.comは、Netflix、Blockbuster、Amazon.comなどのDVDレンタル大手ほどの脚光を浴びないものの、着実に業績を推進している数少ない企業の1社だ。これら小規模企業は価格戦争を無視し、規模の大きなライバル会社との合併とも無関係な位置につけている。また、こうした企業は、ビデオ・オン・デマンドサービスにおける技術革新などで、豊富な資金力を持つ大手の先を行く場合が多い。
Netflixは、かつてのライバルWal-Mart Storesと提携し、幹部を一新した。Netflixの幹部らは、顧客の少ない市場セグメントには全く関心を示さない。Netflixの加入者数は先日、300万人を超えた。また、Netflixの最大のライバルBlockbusterの加入者数は現在75万人。Blockbusterでは2006年前半までに200万人のユーザーを獲得したいと考えている。
5月に開催されたJPMorgan Technology Conferenceで、Netflixの最高財務責任者(CFO)Barry McCarthyは財務アナリストを前に、「ビジネスの成功の鍵を握るのは、規模だ。この分野で成功したいなら、規模が大きくなければだめだ。もしくは、どうすれば速く成長できるかを考えることだ」と述べた。
McCarthyの見解は、サンフランシスコに拠点を置くDVDレンタルサービス企業Greencineのそれとは大きく異なる。Greeniceでは、特定分野のコンテンツに力を入れており、創業から3年でロイヤリティの高い顧客を数万人程度獲得した。社員らによれば、同社がターゲットとしているのは『National Treasure』を観るようなユーザー層ではないという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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