Hewlett-Packard(HP)は米国時間17日、第2四半期の決算を発表した。同四半期の業績はアナリストらの予想を上回るものとなったが、新たに最高経営責任者(CEO)に就任したMark Hurdは、さらに改善の必要があると同氏が考える事柄について情報を明らかにし始めた。
同四半期(4月30日締め)の純利益は9%増加し、9億6600万ドルとなった。同社のプリント/イメージンググループは今回も稼ぎ頭で、8億1400万ドルの営業利益を稼ぎ出したが、しかしHurdは同グループについても注意が必要な事柄のなかにリストアップしている。
同四半期の利益は、特別科目を除くと1株あたり37セントで、First Callがアンケートを採ったアナリストの平均予想を1セント、そして昨年の1株当たり利益を3セント上回った。
一方、売上高は前年同期比7%増の215億7000万ドルで、こちらも213億6000万ドルというアナリストの平均予想値を上回った。
新CEOの最優先事項
Hurdは、アナリストや記者との電話会議のなかで、同社に必要なのは抜本的な改革ではなく、むしろオペレーションの精度を高めることだと示唆した。
同氏は最優先事項として、「プリント/イメージング事業をさらに先に押し進めること」「エンタープライズ・ストレージ/サーバ事業の損益分岐点を改善し、またストレージ事業の弱点を解決すること」「マネージドサービス、コンサルティング/インテグレーション、ソフトウェアの各事業で利益率を高めること」などの点を挙げている。
Hurdによると、HPにとってオペレーションの改善は急務だという。「われわれは、HPに長期戦を戦える体力をつけるために、全速力で走っている」(Hurd)。同氏の前任者であるCarly Fiorinaは、一部の事業の切り離しや全社の分割を求めるプレッシャーのなかで辞任に追い込まれていた。
しかし、Hurdはそれ以上具体的な事柄は口にしなかった。「今後数カ月のうちに、オペレーションに関する計画を公表する。実際のところ、HPが達成できるはずだと私が考えるような結果を残すための即効性の高い解決策はない」
だが、Bear, StearnsアナリストのAndy Neffによると、経営幹部を入れ替えただけでは同社の課題は解決しないという。「確かにCEOは変わったが、HPの置かれた状況は変わっていない。つまり、Dellに比べて根本的に不利な立場にあるコンピュータビジネスは利益も最大化されておらず、またさまざまな事業が価格低下の圧力に直面しており、さらにプリンタ事業では利幅が減少し、成長率が鈍化し、Dellの優れた直販モデルからの競争圧力が高まっている、というのがわれわれの見方だ」とNeffは調査レポートに記している。
これに対し、Sanford C. BernsteinアナリストのToni Sacconaghiは、やや楽観的な見方をしている。「われわれは、HPをめぐるリスク/リターンが魅力的であるとする見方を引き続きとっている。われわれの見積もりによると、同社の株価は安く、しかも1株あたり4ドルの現金もある。また利益改善の機会もたくさん存在し、さらに新CEOのHurdには期待できると考えている」とSacconaghiは調査ノートのなかで述べている。
HPは2つの目標を達成するために「2極化」アプローチをとることになるとHurdは述べた。「われわれは成長が期待できる素晴らしい市場で活動している。われわれはそこで売上を伸ばすと同時に、コストも削減しなくてはならない」(Hurd)
第3四半期の見通しについて、HPは利益が1株当たり29〜31セントになるとしているが、これは32セントというアナリストの予想よりも少ない。また売上高については203億〜207億ドルを見込んでいるが、First Callがアンケートを採ったアナリストの予想は203億5000万ドルとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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