アスク ジーブス ジャパンは5月10日、事業方針説明会を開催した。同社は2月15日に日本での本格サービスを開始したが、これは米国に本社を置くAsk Jeevesにとって、2001年に開始したイギリスでのサービスに次いでの国際進出となる。米Ask Jeevesシニアバイスプレジデントのジム・ランゾーン氏は、「日本は最重要マーケットのひとつだ。日本ではヤフーのシェアが高く競争も厳しいが、技術的にも厳しい目を持った日本の顧客にぜひわが社の検索技術を試してもらいたい。シェア確保は確実だ」と強気な姿勢を見せた。
アスク ジーブス ジャパン 代表取締役社長の塩川博孝氏は、同社の提供する検索サービスAsk.jpを他社サービスと比較し、「検索市場への参入は遅れたが、Teomaという評価の高い検索技術と、一発検索(旧スマートアンサー)のようなヒューマンタッチを持つサービスの組み合わせで、信頼性の高い検索エンジンを提供している。こうした位置づけにあるのはAsk.jpだけだ」と述べ、同社の優位性をアピールした。
アスク ジーブス ジャパン 代表取締役社長 塩川博孝氏 |
塩川氏は、日本市場でグーグルと同等の地位を狙うとしている。そのため、2005年度第2四半期となる今期(4〜6月)は、検索技術のTeomaを強化し、キャッシュ機能の追加やインデックスボリュームの拡充、また更新頻度を高めることに注力する。第3四半期(7〜9月)は、同社が2005年2月に買収したBloglinesのサービスをTeomaと統合させる。第4四半期(10〜12月)以降は、パーソナライゼーション機能を強化するとしている。
BloglinesとTeomaの統合でまず実現するのは、Bloglinesの検索機能にTeomaのテクノロジを導入することだ。現在Bloglinesの検索機能は日本語をサポートしていないが、Teomaは日本語もサポートするため、Bloglinesで日本語検索が利用できるようになる。次に、Ask Jeevesの検索ページの中にBloglinesの検索機能を統合し、Askでの検索結果にBloglinesの検索結果を同時に表示できるようにする。Bloglinesバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャのマーク・フレッチャー氏によると、Bloglinesの検索機能にTeomaを導入する時期は今夏を予定しており、Ask JeevesとBloglinesの統合は今年中をめどに行われる。
今後も引き続き強化するとしている一発検索機能は、パートナーとのタイアップでコンテンツが提供されるため、展開のスピードはパートナーの数に左右されることになる。ただ塩川氏は、「この機能は他社との差別化要因ともなるため、永続的に強化する」としている。
2月には、Ask Jeevesが独自のブラウザを開発するのではないかとの報道もあったが、この件についてランゾーン氏は、「独自ブラウザは現時点で予定していないが、Firefox用のプラグインは開発する予定だ」と述べた。
日本国内で目標とする市場シェアについて塩川氏は、「まず3年をめどに市場で存在感を示すとされている6.8%のシェアを獲得する。最終的には、市場で影響を与えるとされている26.1%のシェアを目指す。ユーザーは通常2つ以上の検索サービスを利用しない傾向にあるため、そのうちの1つとなることが目標だ」としている。アスク ジーブスではシェア拡大を目指し、5月13日より始まるテレビコマーシャルなどでユーザーを獲得する考えだ。
米Ask Jeevesは、3月にInterActiveCorp(IAC)による買収が発表された。これにより、「資金力が強化され、大手と同様の投資ができるようになる。IACは数々の有力サイトを持ち、ユニークユーザーも多いため、ユーザー層の拡大は確実だろう」とランゾーン氏は述べた。
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