Ask JeevesとMozilla Foundationが、FirefoxをベースにしたAsk Jeevesブラウザの開発と、Ask Jeevesのデスクトップ検索技術をMozillaに無償提供することの2つの可能性について協議を開始した。
この話し合いの背景には、検索最大手のGoogleがMozillaとの結びつきを深めているという経緯がある。Mozillaの主要な開発者らは現在Googleで働いており、またFirefoxのインターフェースにはGoogleの検索枠が組み込まれている。
「自然言語」を使ったウェブ検索エンジンで名を上げたAsk Jeevesは、最近になってブログのアグリゲーションサービスやデスクトップ検索分野にもビジネスを拡大している。
Ask JeevesとMozillaは先月ミーティングを行い、Mozillaの技術や組織を利用しながらAsk Jeevesの製品を開発することが決定した場合、どのような形で協力し合えるかを話し合った。
「あのミーティングの主な目的は、Ask Jeevesとmozilla.orgの協力について話し合うことと、どうすればAsk JeevesがMozillaに対して意味のある貢献ができるかを検討することだった」と、Ask Jeevesの技術担当エグゼクティブバイスプレジデントTuoc Luongは2月11日のブログに記している。
このミーティングで提案された協力関係が実現すれば、両者は勢力を拡大できる可能性がある。Firefoxを含むMozillaのブラウザは、市場シェアでMicrosoftのInternet Explorerに大きく引き離されている。また、Ask Jeevesも検索分野でGoogleという強敵を相手にしている。
さらに、このミーティングでは、MozillaのXML User Interface Language(XUL)と、Ask Jeevesの「Octopus」というコンテンツ・アグリゲーションツールを合体させる可能性も話し合われた。Ask JeevesのJim Lanzone(検索担当シニアバイスプレジデント)はこれについて、最も実現の可能性が低い話題だとしている。
しかし、Lanzoneによると、 Ask Jeevesはほかの取り組みについては真剣に考えているという。
「われわれのデスクトップ検索技術をオープンソースにすることは、本物のプロジェクトだ」とLanzoneはインタビューのなかで語った。「われわれは自社のアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を公開することを真剣に検討している。このための核となるロードマップはわれわれが策定するが、追加機能のすべてを自分たちで構築するのは難しいと認識している」(Lanzone)
Ask Jeevesは2004年7月にTukarooを買収したことによって、デスクトップ検索技術を手に入れた。
Ask Jeevesは独自ブランドのブラウザに加え、Firefoxで使える独自プラグインも検討している。
「われわれはすでにツールバーもデスクトップ検索も開発している。そのため、自社ブランドのブラウザ開発は、それほど現実味のない話でもない。こうしたものを開発することで、他社にはない便利な機能を提供できれば、2000万人を超えるユーザーのうち、一定割合の人は必ず興味を示すだろう」(Lanzone)
なお、MozillaはAsk Jeevesと接触している事実を認めたが、それ以外についてはコメントを差し控えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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