Sun Microsystemsは米国時間14日、第3四半期の決算を発表した、同期の売上は前年比でマイナスとなり、純損失もアナリストの予想額を上回った。
3月27日締めの同四半期に、同社の売上は前年の26億5000万ドルから1%減少して、26億3000万ドルとなった。また1株当たり利益はプラスマイナスゼロだった。
同社の純損失は、各種特別損益を差し引くと6100万ドル(1株あたり2セント)だった。First Callがまとめたアナリストらの予想では、1株当たり利益の平均がプラスマイナスゼロ、売上高は27億3600万ドルとなっていた。
Sunは、ソフトウェア製品の普及を促進するとともに、Advanced Micro Devices(AMD)のOpteronプロセッサを搭載した新型マシンを開発する計画に着手している。しかし、この取り組みも今のところは実を結んでおらず、株価や売上の伸びの着実な回復にはつながっていない。
「すでにコスト構造の改善が進んでいるため、これからは売上を伸ばさなくてはならない」と同社CEOのScott McNealyは電話会議のなかで述べ、それでも同社の長期的な見通しについて疑いを持つ人間はどこにもいないとした。「『これから大丈夫なのか』という質問を受けることはなくなった」(McNealy)
しかし、周囲は懐疑的な見方を崩していない。Sanford C. BernsteinのアナリストToni Sacconaghiは13日に発表したレポートのなかで、「(コスト削減、Microsoftとの和解、富士通との提携、サブスクリプションベースの収益モデルへの移行など)いくつかの取り組みは適切な方向に進んでいるが、Sunの業務内容には目に見えるほどの変化はなく、今後数四半期に業績が実質成長へ向かいそうだと自信を持って言える先行指標もない」と述べている。
McNealyは好材料として、前年同期比で損失額が縮小したこと、売上が2005年の当初3四半期は安定していること、利幅が拡大し、営業経費が縮小したことを挙げている。同氏はさらに、Opteronなどのx86プロセッサを搭載するサーバの出荷台数が増加しており、Solaris 10の出荷本数が予想を上回ったことも明らかにした。
社長就任から満1年が経つ同社のJonathan Schwartzは、今回の決算が期待を下回るものであることを認めたが、それとともに同社の移行はうまく進んでいると述べた。
「われわれがローエンドシステムとサブスクリプション収入に基づいた新しい収益構造に移行を進めると、粗利率が下がるとする予想も一部にあったが、実際には粗利率は変化していない」(Schwartz)
Schwartzによると、ローエンドからミッドレンジのサーバ売上は好調だったが、しかしそのあおりを受けてハイエンドのサーバや一緒に販売されることの多いストレージシステムの売れ行きが落ちたという。
また、1月にリリースされたSolaris 10は、これまでに110万回以上のダウンロードがあったとSchwartzは語った。同OSは現在無料で配布されており、まもなくオープンソースになると見られている。
無料ダウンロードが市場の誕生につながることを証明したのはLinuxだが、SchwartzはSolarisのダウンロードがサポート契約に結びつくケースがどれくらいありそうかについては具体的な予想を控えた。ただし、そうしたニーズは必ず出てくるという。「大企業ではサービス契約もせずに製品を導入することは有り得ない」(Schwartz)
Sunは今回初めて、x86サーバの出荷台数を明らかにした。同四半期にSunが販売した約8万台のサーバのうち、x86サーバの数は約1万2000台だったと同社はチャートを見せながら説明した。x86サーバの出荷台数は前年同期比で197%増加したが、サーバ全体の出荷台数の伸びは8%にとどまった。
またx86サーバのうち、Solaris搭載マシンの比率は約20%だったと、Schwartzは述べた。
一方、サブスクリプション契約を販売するJava Enterprise Systems(JSE)サーバソフトの売上はそれほど延びなかった。Sunは同四半期中に新たに1万5000件の新規契約を受注したが、これは2年近く前に同社がJSEを発売して以来最も低い数字となる。これでJES契約者の数はあわせて43万3000件に達したとSunは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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