ここ3年間、落ち込む一方だったSun Microsysemsの売上高が、会計年度2004年の第4四半期は成長に転じた。
IBMやDell、Hewlett-Packard(HP)との競争で苦戦していたサーバメーカーSunが、米国時間20日、6月30日締めの四半期決算を発表した。それによると、同社の純利益は7億9500万ドル(1株当たり24セント)だったという。売上高は、前年の29億8000万ドルから4.3%増加し、31億1000万ドルだった。しかし、Microsoftとの反トラスト訴訟で支払われた和解金19億5000万ドルや各種特別損益がなければ、同社は1億6900万ドル(1株当たり5セント)の損失を計上したことになる。
Thomson First Callがアナリストらを対象に調査した際の平均予想値を見ると、今四半期は予測が難しかったことが分かる。アナリストらは、同社が30億ドルの売上と1株当たり4セントの損失を計上するものと、低めに予測していた。
最高経営責任者(CEO)Scott McNealyは声明の中で、Sunサーバの出荷台数が前年同期と比べて46%増加したと述べた。
「第4四半期に成長を達成し、どういう形であれ、利益を計上したことにより、素晴らしい形で年度末を締めくくることができた」(McNealy)
Sunは現在、財務状況の改善やマーケットシェア奪還に向けた改革を実施中だ。改革の最たる例は、Jonathan Schwartzを社長兼COO(最高業務執行責任者)に任命したことだ。同氏がSunのナンバー2に昇格して以来、同社は、ソフトウェアパッケージのオープンソース化を検討するようになった。さらにSchwartzは20日、SunのSolaris OSについて、競合他社のサーバ用にバージョンを用意する考えがあると述べた。
決算発表を行った電話会議の中で、最高財務責任者(CFO)Steve McGowanが述べたところによると、同社が活気を取り戻した要因は2つあるという。1つ目が、同四半期中にUltraSparc IVプロセッサ搭載サーバを市場に投入できたことで、2つ目が、同社が重視する2つのタイプの顧客層--金融機関および通信事業者--の購買が回復したことだという。
または声明の中で、サーバの出荷台数が前年同期と比べて46%増加したことについて、最高経営責任者(CEO)Scott McNealyは良い兆候だと述べている。
「量は重要だ」とMcNealyは電話会議で述べ、「量は、景気の指標として重要である。わが社の長期的成長は、(サーバを)大量を売り上げることによってもたらされる」と付け加えた。同社のサーバ販売台数が増えれば、ソフトウェアやハードウェア関連パートナーに利益がもたらされるほか、後々、Sunが提供する各種サービスやソフトウェアアップグレードを顧客に購入してもらえる可能性が高くなるという。
これに対し、懐疑的な見方を示すアナリストも依然として多い。「確かにサーバ部門の業績はとても良かった。サービスの売上も好調で、ストレージの継続率も上昇した。なのに、製品の粗利益という観点からみると、業績が安定していない」とGoldman Sachsの証券アナリストLaura Conigliaroは、電話会議で述べた。収益性をはかる重要な指標である粗利益は、UltraSparc IVへの移行やその他の要素が原因となって、同四半期は減少している。
しかし、Schwartsは強気だ。同氏は声明のなかで「われわれは今、明らかに攻撃する側に立っている。われわれにはパワフルなリソースがあるし、製品出荷計画も素晴らしい内容になっている」と述べている。
また、McNealyはインタビューに答え、会計年度2005年には、完全な黒字転換、売上の拡大、健全な営業活動キャッシュフロー(CFFO)を実現する計画だと述べている。
Microsoftからの和解金をめぐる会計処理方法について米証券取引委員会(SEC)から承認が下りるまで、Sunは今回計上した7億9500万ドルの利益について、「暫定的」な値だとしている。
一方、ソフトウェアについては、同社ではJava Enterprise Systemの契約者数を新たに12万8000万人獲得したという。Java Enterprise Systemは、従業員1人当たり年間100ドルという料金設定になっており、現在、総計30万3000人の契約者を抱えている。Schwartzは、Java Enterprise Systemの価格設定について、他社に値下げの圧力をかける結果となり、今四半期に多くのソフトウェアベンダから業績低迷が報告される一因になっていると述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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