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VCになったビル・ジョイに聞く、テクノロジーの未来 - (page 2)

Dawn Kawamoto (CNET News.com)2005年04月14日 12時43分
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--技術の移転は制限されるべきだと思いますか。中国やサウジアラビアなどの国は、先進的なルーティング技術を使って、国内のインターネットユーザーが閲覧できる情報を制限しています。

 一般に、テクノロジーは開放と変化を促す最強の原動力となるものです。そうした国々がどんな防御策を講じようと、インターネットへのアクセスを制限する試みは失敗に終わるでしょう。

--現在、IT業界はテクノロジーの創造サイクルのどの段階に来ているのでしょうか。

 今、業界には活気が満ちあふれています。何年もPCが主役の時期が続きましたが、その後、主役の座はネットワーキングへ、さらにはウェブへと移りました。今は百花繚乱の状態です・・・さまざまな分野で、ありとあらゆる革新が進んでいます。90年代後半のように、業界の状況をひとくくりで論じることはできなくなっています。

--なぜ、状況は変わったのでしょうか。

 科学技術の進化が次の段階に入ったからです。ムーアの法則がすべてだった段階は通り過ぎました。

 現在では、あらゆる場所で変化が起こる可能性があります。科学技術は進化し続けており、いずれあっと驚くようなことが起きるでしょう。クローン羊のドリーが作られたときは、世界中が驚きました。クローンをつくることができるかもしれない--その可能性は誰もが知っていましたが、しかしそれが現実のものになるとは、誰も思っていなかったのです。

 いずれは「スター・トレック」やSFのような話が、現実のものとなるでしょう。ただし、本当に驚くべきなのは、誰かがこうしたアイディアを思いつくことではなく、そのアイデアが実現可能であるということです。今後数年で、われわれはこの種の驚きを何度も経験することになるでしょう。ちょうど、そのような段階にあるからです。ラジオ、電気、自動車が登場した時に匹敵する驚きがもたらされると思います。

--アイディアを一般論や観念に終わらせず、現実のものにするためには、何が必要なのでしょうか。

 それは分かりません。たとえば、「スター・トレック」のDVDには現実の世界にはないものがたくさん描かれていますが、ただしそのなかの何が実現するとは言えません。

 私はタイムトラベルが可能になるといっているのではありません(それに、それが有益なものなのかどうかも分からない)。しかし、特に医学の分野では、不治の病と考えられていた疾病に対する画期的な治療法が登場すると思います。

--あなたは1990年代の前半に、ブラウザが注目分野になることをすでに予見していました。有望な投資先企業を見つけるよりも、有望な投資分野を見つける方が得意なのではありませんか。

 こういうことが起こるのではないか、というアイディアはいくつかあります。しかし、それがいつ起きるのかを明言することはできません。ウェブを例にあげましょう。いまわれわれが知っているようなウェブは、Tim Berners-Leeが生み出したものですが、ウェブのアイディア自体はそれより20年も前に別のシステム上で実現されていました。つまり、何かが起こる可能性があることは分かっていたのですが、その実現時期や具体的な内容は分からなかったということです。

 ウェブが実現したのは、環境が変化したからです。突然、大量のコンピュータがかなりの速度で相互に接続されるようになり、これらのネットワークが生態系を形成するようになった。その結果、昔から知られてはいたが、限定的にしか実現されていなかったアイディアが、一気に実現したのです。

 これと同じことが、生物学の世界でも起こりつつあります。新しい物質を作り出し、それをコンピュータ内部でシミュレートして、原子レベルで状況を把握することができるようになった。その結果、新しい物質を使って、新薬の開発などこれまでは不可能だと思われていたことが可能になりました--これまではSFの世界の話だと考えられていたことが、実現できるようになったのです。

 それがいつ起こるのかといわれると、未知の部分があるため、はっきりとはいえません。しかし、現在の位置をおおまかに把握することができれば、今後の展開についても、何らかの予測を立てることができるはずです。

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