米Sun Microsystemsは米国時間9日、同社の共同創業者でチーフサイエンティストのBill Joyが退社することを明らかにした。
JoyはJavaソフトウェア、SPARCマイクロプロセッサアーキテクチャ、そしてSolarisオペレーティングシステムなど、Sunの多くの技術開発を支援してきた。
Joyの職務はSunの現CTO(最高技術責任者)兼執行副社長であるGreg Papadopoulosが引き継ぐ。Sunの関係者によると、48才になるJoyはじっくりと次の進路について考えているところで、特に明確な計画があるわけではないという。
SunのCEO(最高経営責任者)、Scott McNealyは声明のなかで、「Billはこれからもすべてのイノベーターにインスピレーションを与え続けてくれるだろう」と述べている。
McNealyとともに1982年にSun(元々はStanford University Networkの略だった)を設立する前のJoyは、Berkeley版UNIXオペレーティングシステムの設計者の1人で、オープンソースの概念を切り拓いた先駆けの1人でもあった。
さらに最近では、ナノテク、ロボット工学、そして遺伝子工学といった新技術が人類に提起した課題について、Wired誌に寄稿したエッセイで大きな論争を巻き起こした。
同社を離れるJoyは、カリフォルニア州サンタクララの巨大ハイテク企業に20年以上在籍したことになる。
Joyは声明のなかで、「Sunでの21年間は、革新的な技術を実現するチャンスに恵まれて楽しかったが、今度は別の課題に挑戦すべき時だと判断した」と述べている。
Gartnerのアナリスト、Daryl Plummerによると、Joyの退社がSunに与える影響は全体的に「比較的小さい」という。Joyはつい最近まで、分散コンピューティングシステムの接続技術であるJiniやピア・ツー・ピア技術のJxtaなど、まだ製品として成功していない複数のプロジェクトに携わっていた。
しかし、一部の顧客が、今回のJoyの辞任を同社の全体的財政難の現れだと受け取る可能性もある。
「Ed Zander(Sunの元社長兼COO)が辞任したときのようだ。沈む船からねずみが逃げ出すのと同じだとの声もある。Sunの創立以来、革新的な概念にはすべてJoyが関与していた」(Plummer)
そして今回のJoyの辞任が、既に不安定な同社の市場での評判をさらに落とす可能性もある。Plummerは、「(Sunの)顧客の多くは他社に乗り換える理由を探しているところだ」と語っている。同氏は、Sunの顧客が行動を起こす場合の乗り換え先として、米IBMが有望だとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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