Hewlett-Packard(HP)は、同社のプリンタとPCの取り扱いを一本化しようとしている。
同社は米国時間14日、Imaging and Printing GroupとPersonal Systems Groupの両部門を統合し、新たにHP Imaging and Personal Systems Groupを発足させたことを明らかにした。新グループの責任者には、過去3年間にわたってImaging and Printing部門のエグゼクティブ・バイスプレジデントを務めてきたVyomesh Joshi(50歳)が就任する。同氏は、HPにおいて24年のキャリアを持つ人物だ。
HPによれば、社内の部門編成を刷新したことで、効率が向上し、製品の市場投入もより迅速に行えるようになるという。今回の改革に要した費用、コスト削減効果の今後の見通し、人員配置などについての詳細は、まだ発表されていない。また、財務関連の報告は、双方の部門が今後もそれぞれ別個に行う予定だ。
両部門はすでに、家電製品などのプロジェクトにおいて広範な協力を行ってきている。両者はこれまで、リビングルーム向けに設計されたPCやテレビ、デジタルカメラ、プリンタ、そしてApple Computer製iPodのHP版を含む携帯音楽プレイヤーなどの家電製品を販売してきており、今回の部門統合でこれらの製品ラインが1つに組み合わされることとなった。
この統合で、プリンタやカメラと、デスクトップPCやノートPC、ワークステーション、携帯端末などの製品が1つの部門で扱われるようになるが、そのメリットについて懐疑的なアナリストも少なくとも1人はいる。
「この組織改編で、HPのPC事業の業績が上向くかどうかは疑問だ。この部門統合は、PC事業がHPの期待していたような利益を生み出していないことを示唆しており、それが一番重要な点かも知れない」と、Argus ResearchアナリストのWendy Abramowitzは述べている。
Abramowitzは、HPが約1年前に行った同様の動き--サービス部門とエンタープライズシステム部門の統合を引き合いに出し、「どちらの場合も、結局は人員整理が目的のように思える」と指摘している。
HPのPC部門は黒字だが、PCビジネス全体は今後数年にわたってさらに厳しい状況が続くとみられている。市場調査会社Gartnerの予想によると、PC市場は2005年に比較的活況となるものの、2006年から2008年にかけては成長率が鈍化するという。こうした圧力から、有力PCメーカーは事業の縮小や、あるいは撤退までをも視野に入れているとGartnerは述べている。
HPは、プリンタ部門とPC部門を統合することで、こうした厳しい状況を乗り越えようとしているのかもしれない。だが、他社の中には、早々にこのビジネスから手を引いたところもある。IBMはDellとHPに次ぐ業界第3位のPCメーカーだったが、昨年12月にLenovo GroupへのPC部門売却を発表した。今後も同社はある程度PC事業に関与していくことになるが、この売却によってIBMがPC製造に関する日々の業務に関わることはなくなった。
今回HPが発表した2部門の統合は、実は同社が考慮してきた唯一の選択肢というわけではない。同社CEOのCarly Fiorinaは12月はじめに、ここ何年かの間に3度、同社の取締役会がHPの分割を検討したことがあったと述べていた。PCビジネスをスピンオフさせようという提案はその都度却下されたが、これは同社の取締役らが各種の製品を一緒に扱うことからメリットを得られるとの考えを変えなかったからだと、Fiorinaは説明していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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