世界のPCメーカー上位10社のうち、多ければ3社が2007年までに市場から淘汰される可能性がある。米調査会社のGartnerが、このような予測を示した報告を発表した。
米国時間29日に公表されたこの調査報告には、2006年から2008年にかけてPCへの需要が減少し、同市場で新たな整理統合が進むと記されている。Gartnerは今月に入って第4四半期のPCの予想出荷台数を引き下げている。
出荷台数で見た場合、現在世界の上位3社はDell、Hewlett-Packard(HP)、IBMの順で、4位以下には富士通/Fujitsu-Siemens、東芝、Acer、NEC、Lenovo Group、Gateway、Apple Computerが並んでいる。
Gartnerは今回の報告のなかで、2003年から2005年にかけて、PCの年間出荷台数が11.3%増加し、また年間売上高も平均で4.7%伸びると予測している。しかし、2006年には新たなPCに対する需要の伸びが減速し、メーカー間の競争が激化するため、厳しい状況になるという。
Gartnerの予測によると、多くの企業や消費者が2005年末までに旧機種の入れ替えを完了し、直近のPC代替サイクルが終了するため、2006年から2008年にかけては需要が低迷するという(一般的に企業や消費者はデスクトップ機を4年毎、ノートPCの場合には3年毎に買い替える傾向がある)。この期間中、年間出荷台数の伸びは平均で5.7%、また売上の伸びは平均2%になる。中国をはじめとするいわゆる新興市場がこの間最も大きく成長するが、それでも他の国々の需要低迷を相殺できるレベルではない、と同社は付け加えている。
この予測が正しいとすれば、2006年〜2008年は2000年〜2002年と同様に厳しい状況になる。PC市場は2001年に縮小し、2002年にもわずかに成長しただけだった。そして、それがHewlett-Packard(HP)とCompaq Computerとの合併にもつながった。またMicron Technologyは自社のPC事業部であるMicron Electronics(現在のMPC Computers)を売却した。さらに、この間に財政難に陥ったGatewayは、今年3月にeMachinesを買収して大規模なリストラに着手している。したがって、2006年から2008年にかけての売上低下と出荷増によって、PCメーカーは数年前と同様の痛手を被ることになる、とGartnerは述べている。
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