噂サイトの情報が半分でも的中していれば、Apple Computerはまもなく大量の製品をリリースすることになる。
今週カリフォルニア州サンフランシスコで開催されるMacworld Expoでは、AppleのCEO(最高経営責任者)Steve Jobsが、フラッシュメモリを搭載したiPodや、iWorkと呼ばれるオフィス生産性ソフト、そして500ドル前後の価格で発売になるローエンドのMacなど、さまざまな新製品を発表するとみられている。
歴史的に、MacworldはAppleにとって最も重要な新製品発表の場となってきた。たとえば、2002年のMacworld ExpoではAppleが初代液晶iMacをデビューさせている。ただし、同社では小売店の品揃えを常に新鮮な状態にしておくといった目的から、最近は製品発表の時期を分散させている。こうしたことから、今年は従来のスタイルへの回帰と言えるかもしれない。
Piper JaffrayアナリストのGene Munsterは、今年のMacworldはMacファンだけでなく、ウォールストリートや主力メディアの間でも特に大きな話題になっている、と語る。「非常に大きな注目が集まっている」(Munster)
昨年1年間を通じて着実に上昇したAppleの株価は、2005年に入ってもさらに上昇を続けており、1株70ドルに達する勢いだ。この熱狂の原因となっているのはiPodの極めて好調な売上で、アナリストらの推定によるとiPodは年末商戦の期間中に400万台売れた可能性もあるという。
ウォールストリートは、Macworldでの発表を前に、AppleがiPodだけの一発屋で終わらないことを証明し、iPod購入者の一部をMacユーザーにするという約束を果たすことを、同社に期待している。ローエンドのMacはAppleのこの取り組みに役立つかもしれない。
例年、Macworld開催前にはさまざまな噂が飛び交うが、今年はAppleが次々に訴訟を起こしたことから、こうした噂話がいっそう加熱している。同社は、情報流出を巡って複数の姓名不詳の個人を提訴したほか、ある噂サイトに対しては提訴に踏み切っている。
Appleは、Think SecretというMacファンサイトを相手取った訴訟で、iWorkと500ドル未満のG4ベースiMac、iLifeのアップデート、そして新しい音楽周辺機器に関する記事を特に問題視している。この周辺機器は「Asteroid」という開発コード名で、演奏者が自分のアナログ楽器をMacに接続できるようにするものだといわれている。
Appleはこの訴訟で、Think Secretに掲載された記事にはAppleの業務上の機密事項が含まれていると主張しているが、ただし詳細は明らかにしていない。同社は、Macworldで発表する製品についてはコメントを控えている。
この裁判は、Appleがそのような製品を開発中であることを暗に示すものといえるが、同社が裁判所に提出した書類のなかには、それらの新製品がMacworldで発表されるという具体的な記述は見あたらない。
特にiWorkについては、この訴訟に加え、噂が真実であることを示す他の兆候もある。その1つは、AppleがiWorkとPagesの両方について商標を申請中であることだ(Pagesは同社が準備中だとされるワープロソフトの名前)。また、Mac対応製品を開発するIGG Softwareという小さなソフトウェア会社が、これまでiWorkと呼んでいた自社のアプリケーションの名前をiBizに変更していることも、それに該当するかもしれない。Think Secretによると、iWorkは、Pagesと、AppleのプレゼンテーションプログラムであるKeynoteの改良バージョンで構成されるという。
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