2004年総集編--薄型テレビ市場を狙う国内パネルメーカー - (page 2)

永井美智子(CNET Japan編集部)2004年12月31日 10時00分
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大型の事業提携も進む

  Samsungとソニーの合弁会社S-LCDは4月に設立され、7月に液晶パネル生産工場の建設を完了した。設備投資額は20億ドル程度と言われている。第7世代と呼ばれる1870mm×2200mmの大型ガラスを利用して2005年上半期に量産を開始する。月産台数は6万台となる見込みだ。

  液晶パネル事業で苦しい立場にある日立製作所、東芝、松下電器は8月、液晶パネルの製造・販売を行う合弁会社を2005年1月に設立すると発表した。社名は「IPSアルファテクノロジ」。日立の100%子会社である日立ディスプレイズが50%を出資、東芝と松下がそれぞれ21〜25%を出資する予定で、日本政策投資銀行も一部を出資する。2006年に量産を開始し、2008年には32インチ換算で年産250万台の能力を持つ計画だ。

  一方で事業撤退を行った企業もある。NECはディスプレイ事業をノンコア事業と分類し、事業売却する道を選んだ。2月にはパイオニアにプラズマディスプレイ事業を譲渡すると発表。NECプラズマディスプレイNPDの全株式とプラズマディスプレイに関する知的財産権をパイオニアに譲渡している。また、有機EL事業についても、Samsung SDIと共同で設立したSamsungNECモバイルディスプレイの株式と有機EL関連特許をSamsung SDIに譲渡した。

SED、有機ELの新技術も登場

  液晶とプラズマに続く新技術の実用化も見えてきた。東芝はキヤノンと共同で、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)と呼ばれる新しい薄型ディスプレイの製造を2005年より始めると発表した。9月に試作品を初めて公開し、10月には合弁会社「SED株式会社」を設立した。SEDはブラウン管ディスプレイと同じ発光原理を応用したもので、液晶ディスプレイよりも輝度が高く、鮮やかな色が再現できるほか、視野角が広いといったメリットがある。また、消費電力はプラズマディスプレイの3分の1、LCDの3分の2程度で済むという。

  新会社は200億円を投資して生産ラインを建設し、2005年8月より50インチ級のディスプレイの生産を始める。当初の月産台数は3000台となる予定。その後は約1800億円を投資して量産工場を建設し、2006年末には月産1万5000台、2007年末には同7万5000台、 2008年には同15万台へと拡大する計画だ。

  有機ELはこれまで大型化が難しいとされてきたが、5月にセイコーエプソンが40型の試作機を公開し、業界を驚かせた。実用化にはまだ高精細化や画質、寿命、消費電力などいくつかの点で課題があるとしながらも、2007年の製品化を目指して開発を進めていく考えだ。

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