ソニーとSamsungは15日(米国時間)、大規模な液晶パネル生産工場の建設を完了したと発表した。
ソニーとSamsungのジョイントベンチャー、S-LCDは、韓国忠清南道湯井(タンジョン)の液晶ディスプレイ(LCD)生産施設の建設が完了し、来年前半に液晶パネルの量産を開始する予定だと発表した。この工場は月間6万枚の液晶パネルを生産できる。
「ソニーにとってテレビは主要な製品カテゴリだ。S-LCDで生産するパネルは、われわれの平面テレビに関する戦略の中核となっており、わが社のテレビ製品に関する全体的なビジョンがさらに強化されるだろう」と、ソニーの久夛良木 健執行役副社長は声明を発表している。
調査会社のiSuppliによると、液晶テレビ市場は特に前途有望だという。全世界のテレビ出荷量に占める液晶モデルの割合は、今年の5%から2008年には18%に成長する見込みだ、とiSuppliは述べている。一方、テレビ市場全体の規模は今年の1億6800万台から、2008年にはおよそ2億300万台に拡大すると見られている。
S-LCDの新工場は、テレビ向けの大画面パネルの製造用に最適化されていると、iSuppliアナリストのRiddhi Patelは述べている。「今後、液晶大画面テレビは、さらに手頃な値段で手に入るようになるだろう」(Patel)。この新工場の完成の影響などにより、40インチ以上の液晶テレビの価格は、現在の約8000ドルから2008年には1500ドル程度まで値下がりするとPatelは語った。
ソニーとSamsungは、LG Philips LCDなどの他の液晶パネルメーカーと競合している。LG Philips LCDはオランダのRoyal Philips Electronicsと韓国のLG Electronicsのジョイントベンチャーで、現在IPO(株式公開)の準備を進めている。
テレビの画面向け技術として、液晶パネルは、プラズマディスプレイと競合している。またこの他に、Intelなどが推すLCOS(Liquid Crystal on Silicon)リアプロジェクションなど、新しいディスプレイ技術も登場している。
ソニーとSamsungは今年4月にジョイントベンチャー設立契約を結んだ。両社はS-LCDの資本金18億ドルを約半額ずつ負担し、Samsungの幹部1名がS-LCDの最高経営責任者(CEO)に就任している。この契約は、Samsungが勢力を伸ばしていること、そして韓国がハイテク強国となったことを表すものといえるだろう。
一方、ソニーは平面パネル技術の開発で遅れをとっているが、この理由としてプラズマもしくは液晶パネルの大規模な生産施設がないことを挙げている、とPatelは語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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