レコード会社のSony BMG Music Entertainmentは来年の早い時期に、コピー防止機能付きCDを米国内で発売する予定で、現在英国のFirst 4 Internetが開発した技術の実験を進めている--Sony BMG Music EntertainmentとFirst 4 Internetの事情に詳しい情報筋はこう述べる。
既に複数の主力レコード会社が、レビュー用などさまざまな目的で発売前に配布されるCDにFirst 4 Internetの技術を搭載してきた。そのなかには、EminemやU2のアルバムも含まれる。
同社の技術を採用したCDは2005年初めに発売される予定。これはソニー傘下のレコード会社にとって、米国で初めて販売するコピー防止機能付きCDになる。新しく同グループの仲間に加わったBMGは昨年からコピー防止機能付きCDを販売するなど、従来よりコンテンツ保護に積極的だった。
SonyBMGの関係者はこの計画に関するコメントを控えている。First 4 Internetの最高経営責任者(CEO)Mathew Gilliat-Smithは、米国の大手レコード会社と共同で、同社の技術が搭載されたCD作りに取り組んでいることを認めた。しかし、同氏はレコード会社の名前を明かしていない。
First 4 Internetは従来、ウェブサイトや電子メールに含まれるポルノ画像を検出する技術を開発し、その技術をウェブフィルタリングソフトメーカーに販売してきた。
Gilliat-Smithによると、同社は、レコード会社のEMIとの交渉を開始した後の2001年からコピー防止技術の開発を続けてきたという。同技術を使うと楽曲データは強力な暗号で保護されるにも関わらず、従来のCDプレイヤーを使って再生できる。
同社はこれまで米国市場において、Universal Musicと密接に連携しながらレビュー用CDを作成してきた。First 4 Internetの米国オフィスに勤める関係者によると、このコピー防止技術は、多数の有名アーティストのレビュー用CDなどに組み込まれてきたが、現在のところ暗号は解読されていないという。
アナリストらは、各レコード会社によるコピー防止機能付きCDの販売について懐疑的な見方を変えていない。消費者からは依然として反対の声が上がっているほか、コンテンツ保護技術とCDプレイヤーとの互換性に関する問題があるためだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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