レコード会社各社とMicrosoftは、次世代Windowsオペレーティングシステム(OS)「Longhorn」でコピー防止機能付きCDをサポートする方法について議論を重ねている。
音楽業界側は、主にEMI Groupの上級幹部らが音頭をとり、米国内や国際的な業界団体がそれに同調する形となっているが、彼らはLonghornで提供/サポートを希望するCD著作権保護機能のリストアップ作業を行っている。一方Microsoftは、音楽業界向けに独自のガイドラインを提供しているが、ただしまだ何の確約もしていない、と両者の状況に詳しい筋は述べている。
CDのコピー防止技術に関する各レコード会社の考えはまちまちで、その使用方法はおろか、そもそも使用するかどうかについても意見がまとまっていない。しかし情報筋によると、レコード会社の多くはMicrosoftの技術に束縛されたくないと考えており、またLonghornで提供されるコピー防止用のプラットフォーム技術を、消費者にとって少なくともApple ComputerのiTunes Music Store並みに使いやすいものにしたいと考えているという。
「われわれはMicrosoftに対し、ルールの内容とまでは言わないものの、そのフレームワークを提示するよう求めている」と音楽業界側の話し合いを調整したEMI Music North America会長のDavid Munnsは述べている。「そうすれば消費者の混乱は解決されるし、物事全体が消費者にとってはるかにフレンドリーで簡単なものになるだろう」(Munns)
コピー防止機能とLonghornをめぐる議論は、今後の技術開発や将来の消費者行動の予測に基づいた、ある意味で非常に現実離れしたものだ。各レコード会社は何年もCDに新しいコピーコントロール技術を導入する方法を実験しているが、米国ではこうした技術を採用したアルバムはほとんど発売されておらず、大成功を収めているとは言い難い。
MicrosoftのLonghornもリリースされるのは当分先の話だ。同社は先ごろ、Longhornのリリース予定日を2006年末に延期しており、また現在も「Secure Computing」計画の詳細を煮詰めている最中だ。この技術については、デジタル権利管理(DRM)技術を現在よりもはるかに強力にするものだという者もいる。
しかし特にEMIは、これまでにもMicrosoftと協議を行い、ユーザーがコピー防止機能付きCDをもっと簡単に扱えるよう、これをサポートする機能をOSの根底の部分に組み込む方法について話をしたことがある、とMunnsは述べている。
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