現在数多くの改革に取り組んでいるIntelだが、同社の取締役会は米国時間11日、現社長のPaul Otelliniを来年5月に最高経営責任者(CEO)に昇格させる人事を可決した。
Otellini(54歳)は、Intelの4代目CEOであるCraig Barrett(65歳)の後を引き継ぐことなる。Barrettは今年初めに、トップの座から退く意向を示していた。Intelの最高業務責任者(COO)も兼任するOtelliniは、Barretの退職を受けてCEOに就任すると見られていた。
OtelliniはIntelの日常業務と製品開発計画に深く関与しているが、2005年にはまさに適職を任されることになる。同社は、来年から翌年にかけて、製品および管理体制の移行期間に入ることが予想されている。
PCプロセッサ市場で80%以上のシェアを握り、PC用チップセットやマザーボードでもかなりの売上があるIntelだが、2005年は多数の新しい主力製品をリリースするとともに、2004年に犯した一連のミスを修正していく。すでに同社では、プロセッサスピードの重視からパフォーマンス全体の強調へと方針の転換を開始している。
Intelがデュアルコアプロセッサに移行する来年は、この戦略が本当の意味で試される年になる。デュアルコアは、1つのチップに2つのプロセッサコアを集積したもの。同社はまた、機能を満載したシングルコアチップも発売する予定だ。
Otelliniは電話インタビューに応じ、「われわれは、プラットフォーム開発(コンピュータシステムのかなり部分の設計)、デジタルホーム、デジタルオフィス、デュアルコア製品の方向へと進んでいる。デュアルコアは次世代製品用チップの基盤になる」と語った。
Intelは新市場への参入を進めているが、同社の企業文化に大きな変化はないだろう、と同氏は付け加えた。同氏をはじめとするIntel経営陣は、数年前からこの点を強調してきている。
ここ数年、Intelは部品の単純な大量生産から、ノートPC用のCentrinoなど自社製プロセッサを中心としたPCプラットフォーム全体の開発へと、業務内容の転換を進めてきた。多くの場合、これらのプラットフォームでは、ハイエンドのオーディオ処理といった新機能の開発や、ソフトウェアの開発がつきものだった。Intelがソフトウェアグループを大幅に拡張したのはそのためだった。
Otelliniはこれまで多くの方向転換に何らかの形でかかわってきた。予定の遅れたPentium 4/4GHzの製造を中止し、パフォーマンス向上に有効なキャッシュメモリを増やしたPentium 4を2005年初頭に投入する判断を下したのも同氏だ。Otelliniはまた、5月に一般向けのデュアルコア戦略を支持した最初の幹部でもあった。
Otelliniは、クロックスピードの高速化を続けるとプロセッサの熱と消費電力が上昇し、PCを日常的に利用するには非現実的なレベルに達してしまう、と語っていた。
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