日本アルテラは29日、同社主催のPLD WORLD 2004の開催にあわせて製品戦略説明会を行った。米Alteraマーケティング担当シニアバイスプレジデントのエリック・クレイグ氏は、業界が直面する問題として「製品開発期間や市場参入期間の短縮が求められている反面、ASICの開発サイクルは長期化している」と指摘し、「Alteraの提供するPLDとストラクチャードASIC製品が、このジレンマを解決する」と述べた。
米Alteraマーケティング担当シニアバイスプレジデント エリック・クレイグ氏 |
Alteraでは、今年2月にハイエンドのFPGA製品Stratix IIを発表し、3月にはCPLD製品のMAX IIを、また6月には低コストなFPGA製品Cyclone IIを発表するなど、相次いでPLD製品のラインアップを強化している。ASICと違ってプログラム可能なPLDは、製品のアップデートの際にプログラムを変更するだけで製品開発が可能なため、開発期間が短くて済む。「PLDは柔軟性が高いため、Gartnerの調査による半導体の成長率でも2003年〜2008年は20%となっている。同時期のASICの成長率は8%にすぎない」とクレイグ氏は述べ、製品サイクルがますます速まるなか、PLDの需要が高まっているとしている。
FPGA製品は微細化が進み、現在同社は90nmのStratix IIを出荷中だ。1機能あたりの価格も年率で25%〜35%低下しているという。FPGA市場においてはこれまで競合のXilinxが高い市場シェアを握っていたが、「130nm/90nm世代の製品ではシェアが逆転し、Alteraがトップとなった」とクレイグ氏はいう。
シェアが逆転した理由について、日本アルテラ マーケティング部 プロダクト・マーケティング・エンジニアの橋詰英治氏は、Xilinxが90nm製品において低コストとなるSpartan-3を先に発表し、その後高機能のVertex-4を発表したのに対し、Alteraは逆に高機能のStratix IIを先に発表したのちに低コストのCyclone IIを発表したことを挙げる。これは、ハイエンド製品を先に手がけたことで、ファウンドリがローエンド製品を作る際に迅速な対応ができたためだ。また橋詰氏は、130nm製品においてStratixとCycloneが高く評価されていたこともXilinxより同社が有利な理由としてあげている。
PLD製品のほかにAlteraでは、3年前よりHardCopyというストラクチャードASIC製品の提供をはじめている。スタンダードセルASICでは全層のマスクが必要だが、ストラクチャードASICは上層のみをカスタム化するため、「開発費と開発期間を削減できる」とクレイグ氏。現在世界で25社から30社が同社のHardCopyを採用しているという。昨年発表された第2世代のHardCopyは、130nmプロセス、100万ゲートとなっているが、2005年に発表予定の第3世代では、90nmプロセスで、ゲート数は200万以上となる見込み。Alteraでは、これまでのPLD製品をより進化させシェア拡大をめざすとともに、HardCopyで新規顧客を開拓する考えだ。
日本アルテラは、今月18日大阪にセールスオフィスを開設したばかり。多くのデジタルコンシューマ機器関連メーカーが存在する関西に拠点を置くことで、今後さらなるビジネスの拡大をめざすとしている。同社代表取締役社長の日隈寛和氏は、「関西地域での売上を国内全体の30%にまで伸ばしたい」と述べた。
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