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これは、Dellがテキサス州ラウンドロックにある工場「Mort Topfer Manufacturing Center」で、今月初めに目標に掲げた1時間あたりのデスクトップPC生産台数だ。この数値を言い換えると、1.5秒に1台、1分に40台、1シフトあたり2万3500台となる。
最初、Dellの担当者は生産台数についてはっきりとした数字を教えてくれなかったが、工場の入り口にあるホワイトボードにこの数字が明記されていた。「あれに気付かないで欲しかった・・・」とSteve Lawtonは笑う。Lawtonはこの施設の設計に関わったエンジニアの1人で、今回のツアーをガイドしてくれた人物だ。
製造と物流に興味を持っている人にとって、DellのTopfer工場を見学することは、一般の人がストーンヘンジやフラットアイアンビルを訪れるのに匹敵する価値がある。この工場こそ、ダイレクト受注、ジャストインタイムの製造、出荷が行われている場所なのだ。まさに、安全メガネをかけた人達が集う楽園なのである。
30万平方フィート(約2万8000平方メートル)ある工場は午前8時から稼働し始め、従業員は10時間シフト(金曜、土曜、日曜は12時間)の間、忙しくPCを組み立て続ける。注文内容に沿ったPCを組み立てるため、まず1階では部品担当者たちがハードディスクやプロセッサ、メモリなどのPC部品をプラスチックの箱の中に入れていく。
部品が詰め込まれると、プラスチックの箱は荷物用エレベーターに乗せられ、高さ約15フィート(約4.6メートル)の、ベルトコンベヤーがくもの巣のように入り組んで流れているところまで持ち上げられる。その後、ベルトコンベヤーに乗せられた荷物が目的地まで運ばれると、また別のエレベーターに乗せられ、組み立て担当者のいるフロアで降ろされる。
このように、部品は流れ作業の組み立てラインで用意されるが、PCは最終的に人間の手によって仕上げられる。「PC組み立て担当者の時間給が最も高い」とLawtonは説明する。労働組合に属さないこの工場の従業員は、時給約12ドルでスタートし、Dellの利益分配プランに加入する。
3〜5分後、PCの組み立てが完了する。出来上がったコンピュータはベルトコンベヤーのインターチェンジに戻され、バーコードスキャナを手に待ち構える人たちに運ばれる。ここで担当者のダブルチェックを受けたPCは梱包され、物流/出荷部門にまわされる。
Lawtonの見積もりによると、部品が工場に運ばれてから、運送企業が完成したPCの箱を持っていくまでの所要時間は約4〜6時間だという。
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