テキサス州ラウンドロック発--現在家電製品や関連サービスの品揃えを強化しているDellは、新規顧客の獲得やPCの販売台数増加を目指して、今年いっぱいこの取り組みを続ける計画だという。
同社はこれから年末にかけてさまざまな製品やサービスを投入していくが、このなかにはInspiron 9200という新たに17インチ画面を搭載するなどの機能強化を図ったノートPCや、複数の新型複合機、そしてホームネットワークやAV機器などの設置で消費者を支援する一連の出張サービスなどが含まれる。
だが、Dellは大幅な方向転換を進めているわけではない。同社は今の手法を継続しながら、自社製PCに対応し、結果的にPCの売上拡大に役立つ製品やサービスを提供していく。具体的には、プリンタやデジタルテレビといった周辺市場の取り組みを今後も拡大することになる。ただし、プリンタについてはDell経営陣が参入の大幅な遅れを認めており、またデジタルテレビも同社が数年前から販売している液晶モニタと同じようなものだ。Dellはさらに、スマートフォンやデジタルカメラにも注目しているが、いずれの市場への参入も時間がかかるものと思われる。
Dellの家電事業部ゼネラルマネジャー、Mike Georgeは、CNET News.comのインタビューに答え、「携帯音楽プレイヤーやテレビといった新分野について、最近調査を実施したところ、これらの製品の52%は新しい顧客が購入していることが判明した。これらの顧客は、PCの購入時にも極めて高い確率でわれわれの製品を指名するようだ。このことから、われわれは自信を持って(広告のなかで)家電製品に関して一段と大胆なメッセージを送れるようになった」と語っている。
Dellにとって、携帯電話の機能とDellのAximのようなPDAの機能を併せ持つスマートフォンなどは、チャンスを生む可能性を秘めた製品の典型だ、と経営陣は述べている。だが同社は、Nokiaなどの既存製品との差別化に関して自社にできることを慎重に吟味していく。同じように、Dellの経営陣はデジタルカメラの売上の伸びを指摘するが、Dellブランドのカメラが売上や収益性に関して自社の要件を満たすかどうかについてはまだ評価しきれていない、と語った。
同社CEO(最高経営責任者)のKevin Rollinsは、News.comに対し、Dellでは全体の売上に占める家電製品の割合が約15%しかない点も、この分野への全面参入に踏み切れない要因の1つだと述べている。
「われわれはPCと関連性の深い製品だけを扱う。今後しばらくは印刷/イメージング分野の製品、つまりインクジェットプリンタやレーザープリンタに大きな力を注ぐつもりだ」とRollinsは述べ、さらに「我々は今後も引き続きこの製品ラインの品揃えをまず拡大し、さらにテレビも新機種を2、3台追加することになると私は推測している。PDAについても検討する必要がある」(Rollins)
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