多くのPCメーカーが製造業務を米国外に移転させる中、Dellは新たな製造拠点を米国内に設立予定であることを発表する計画だ。米国時間19日に同社最高経営責任者(CEO)のKevin RollinsがCNET News.comのインタビューに応じ、さまざまなテーマについて語った中で、同計画を明らかにした。
「来月か再来月、米国内に開設する新たな製造拠点に関して発表を行う予定だ。また、数年のうちに、欧州とアジアの両地区にも新しい製造拠点が必要になるだろう」とRollinsは述べた。製造拠点の設立場所がノースカロライナ州になるという報道がなされていることについて尋ねると、同氏は製造施設拡大に関する報道は「どちらかと言えば正しい内容のものが多い」とコメントした。
Dellは、将来的に年間売上高を600億ドルかそれ以上にするという目標を立てている。この目標を達成するには、PC市場シェアを現在の約18%から30%近くにまで拡大させる必要があり、生産量を増やさなければならないと同社は述べている。
インタビュー中、Rollinsはいくつかのトピックについて触れた。以下にそのいくつかを挙げる。
家電製品は将来、Dellにとって重要な事業分野となる。だが、最重要分野というわけではない。現在のDellでは、家電製品の売上全体に占める割合はたった15%だ。同社は家電製品のラインナップを増やしているが、製品価格も利益率も低いまま推移するだろう。Rollinsによると、Apple ComputerのiPodは、家電市場において苦戦を強いられていない例外的な製品の1つだという。
「大手家電メーカーを見れば分かる。どこも苦戦している」とRollinsは述べ、「各社は多くの製品を販売しているが、そんなにうまくやっているとはいえない。業界は、根本的な課題に直面している」と付け加えた。
それでも、Dellは引き続きテレビの新製品を発表し、価格を下げるつもりだという。「プラズマテレビを1000ドル以下で提供したい」とRollinsは述べる。現在、Dellは42インチのプラズマテレビを3400ドルで販売している。
Advanced Micro Devices(AMD)は、技術を「ずいぶんと向上させた」とRollinsは述べる。しかし、Dellで採用されるためには、AMDはいくつかの障害を克服する必要があると同氏はいう。また、Dellの顧客からはAMDのプロセッサを採用して欲しいという声が上がっていない、と同氏は付け加えた。
Rollinsはまた、DellがAMDベースのプロセッサを採用するとなると、新たにサーバとPCの設計を専門とするチームを結成する必要があり、複雑さとコストが増すことになるとも説明した。また、AMDはIntelと同じボリュームではチップを量産できないと同氏は述べる。
同社のプリンタ事業は予想より順調に成長している。Rollinsは、「第2四半期、同事業は損益分岐点まであともう少しというところまで到達した」と述べた。
IDCのアナリストRoger Kayは、世界シェアを現状の2倍(36%)にするためには、PCの販売台数を年間3000万台〜4000万台増やさなければならないという。「Dellの成長を阻害する要因はほとんどない。(だが)製造能力の問題は、大きな阻害要因になる可能性がある」(Kay)
それでもDellは、本社を構えるテキサス州ラウンドロックの近くのものも含め、多くの拠点を持っている。Rollinsによると、同社では今後も引き続き主要な市場の近くに自前の製造施設を構えていく計画だという。
「われわれのビジネスモデルだと、(調達と製造を含む)自前のバリューチェーンを持つ必要がある。アウトソースは不可能だ」(Rollins)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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