NECエレクトロニクスは10月28日、2004度の連結中間決算を発表した。DVDレコーダや薄型テレビなどのデジタル家電向けシステムLSIやPC用のLCDドライバICなどが好調で、売上高は8.3%増、営業利益は21.4%増と増収増益になった。ただしメーカーが携帯端末やPC用モニタなどの在庫調整を下期に行うことから、通期予想を下方修正した。
中間期の連結売上高は前年同期比8.3%増の3768億円、営業利益は同21.4%増の307億円、税引前利益は49.0%増の291億円、当期純利益は同47.7%増の179億円となった。
製品分野別に見ると、特に好調だったのが民生用だ。売上高は前年同期比36.4%増の527億円となった。DVDレコーダやデジタルカメラ、ゲーム機用のシステムLSIが好調だったという。
NECエレクトロニクス執行役員兼財務本部長 佐藤博氏 |
パソコン需要が回復してきたことで、コンピュータ/周辺機器用も好調だった。売上高は前年同期比18.6%増の768億円となっている。多機能プリンタや記録型DVDドライブ用のシステムLSIやPC用のLCDドライバICが好調だった。
通信用については、前年同期比1.5%増の768億円となった。携帯電話のベースバンド用LSIが減少したものの、携帯電話用LSIドライバICや光伝送向けLSIなどが好調だった。
今期の見通しについては、「8月頃からLCDドライバICや携帯電話等LSIの需給調整が顕著になってきた」(NECエレクトロニクス執行役員兼財務本部長の佐藤博氏)として、第3四半期の売上高は前年同期に比べて5%ほど減少すると見ている。とくにPC用LCDドライバICの落ち込みが大きいという。ただし調整は一時的で、第4四半期には売上高が平年並みに戻るとしている。
需要減の影響から、同社では4月に発表した通期予想を下方修正した。通期の売上高は前回予想から250億円減の7450億円、営業利益は同150億円減の500億円、税引前利益は同90億円減の460億円、当期純利益は同50億円減の280億円としている。
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