NECエレクトロニクスは27日、2004年3月期の決算を発表した。売上高は前年比1.8%減の7119億円、営業利益は同81%増の545億円、純利益は同192%増の280億円となった。全体としての売上高は若干減少したものの、同社のコア事業である半導体の売上高は6716億円と、前年比2.9%増となった。
同社の第4四半期の売上高は1886億円で、うち1789億円が半導体の売上となっている。製品分野別の売上高は、この1年で特に伸びたとされる通信分野が397億円、コンピュータおよび周辺機器分野が365億円、民生用電子機器分野が263億円、自動車・産業機器分野が246億円、多目的・多用途ICが204億円、ディスクリート・光・マイクロ波が311億円となっている。2004年度3月期の売上高6716億円のうち、各分野の占める割合は、通信機器分野が23%、コンピュータおよび周辺機器分野が21%、民生用電子機器分野が13%、自動車・産業機器分野が13%、多目的・多用途ICが12%、ディスクリート・光・マイクロ波が18%となった。
NECエレクトロニクス財務本部財務部長、吉田恵一氏 |
キャッシュフローの状況については、営業活動により増加したキャッシュフローが1203億円、設備投資などで減少したキャッシュフローがマイナス919億円で、差し引きしたフリーキャッシュフローは283億円の黒字となっている。
今年度(2005年3月期)の業績見通しは、売上高が前年比8.1%増の7700億円、うち半導体の売上高は同12%増の7550億円、営業利益は同19%増の650億円、純利益は同18%増の330億円。
NECエレクトロニクスはまた、今後の設備投資計画も同時に発表した。同社では2004年度の設備投資額が1030億円と、売上高の14.5%を投資しているが、「中期的には、自前キャッシュフローの範囲内で売上高の約15%を設備投資額とする」と、同社財務本部財務部長の吉田恵一氏。ただ2005年度は、これまで行っていた200mmウエハへの投資と、新規に300mmウエハへの投資とを同時に行っていくため、設備投資額は1670億円と、売上高の21.7%となる予定だという。
また同社は、設備投資で前工程生産能力を増強するとしている。今年度は300mmラインが立ち上がり、2004年末にも量産出荷が開始されるという。同社では自前設備のほか、ファウンドリへのアウトソースも行っているが、吉田氏は「今年末には約15%の生産がファウンドリで行われる」としている。
NECエレクトロニクスは同日、事業本部などの再編を中心とする機構改革を発表している。「顧客の求めている半導体ソリューション提供に関する競争力を強化するため」(吉田氏)のもので、ソリューション事業本部と開発事業本部の統合によるアプリケーション別のシステム事業本部への再編、基盤技術開発部門の統合・再編、営業担当アカウントの再編および販売技術機能の移管、生産部門の強化などを行うとしている。
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