NECエレクトロニクスは、次世代DVD用システム「HD DVD」に対応した、記録と再生ができる特定用途一般顧客向けLSIの開発に成功したと発表した。製品サンプルは、10月5日から開催される「CEATEC JAPAN 2004」のHD DVDブースにて展示される。
HD DVDは、DVDに関する標準化団体DVDフォーラムで規格化が推進されている方式で、青紫色レーザーを用いた単層15Gバイトの記憶容量を持つ。現行のDVDと物理的なディスクの基本構造が同じで互換性が高いにもかかわらず、記憶容量が15Gバイトと格段に大きい。対応ソフトウェアの製作には現行の技術を応用が可能で、装置自体も現行と同等の小型化が可能なため、開発コストが安く済み、パソコンなどへの組み込みも容易という特徴がある。
新システムLSIは、HD DVDの最大2倍速記録/再生に対応し、現行メディアへの記録/再生を可能とした下位互換性のあるシステムを構築できる。現在の資産を活かしつつ、大容量データの取り扱いを容易にするというものだ。
今回開発されたシステムLSIと同社が6月に発売した現行のDVD記録ドライブ用システムLSIを組み合わせて使用することによって、HD DVDシステムの構築が可能となる。このシステムLSIはNECとの共同開発であり、今後NECが開発するドライブにも採用される予定だ。
一般的な取り扱いデータの大容量化などから、同社では次世代DVDシステム市場が2007年から2008年に立ち上がると予測。このシステムLSIはHD DVD対応装置の製品化を早め、市場の立ち上がりに寄与するものだとしている。
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