Microsoftが、サーバ版Longhorn発売までの中間リリースとして計画していたWindows Server(開発コード名「R2」)の開発を中止するのではないかとの憶測が流れていたが、同社は今週このアップデート版の開発が順調に進んでいると語った。
しかし、同社は2005年後半のリリースに間に合わせるため、R2から予定されていた2、3の機能を取り除くことも明らかにした。
Microsoftは、R2の主要なセールスポイントとなる機能の1つ「Network Access Protection(NAP)」の実装を延期することにした。この機能は、企業ネットワークに再接続しようとするマシンを検疫するためのもの。同社は18日(米国時間)、Cisco Systemsとセキュリティ分野で提携したことを発表し、今後両社がネットワークセキュリティに対するアプローチの互換性実現に共同で取り組んでいくことを明らかにしたが、これに合わせてNAP機能の大半について、2007年まで実装を延期するとしていた。
同社会長のBill Gatesは、2月に行われたNews.comとのインタビューの中で、何らかの形で中間リリースを出す可能性があると示唆したが、その時までR2リリースはMicrosoftのロードマップには載っていなかった。Microsoftはその後R2の概略を説明し、同リリースにはいくつかの機能拡張が追加され、またすでに公開されている諸機能を組み合わせたものになるとしていた。
Microsoftによると、同社が5月に発表したサーバ製品ロードマップの残りの部分については、特に変更はないという。次のリリースとなるのは、来年前半に予定されているWindows Server 2003のService Pack 1(SP1)だ。同社は年末までに、SP1の完成版に近い「リリース候補(RC)」バージョンをリリースできると見込んでいる。
MicrosoftのWindows Server部門でプロダクトマネージャを務めるSamm DiStasioは、「我々は完成に近づいている」と述べている。このService Pack 1には、MicrosoftがWindows XP SP2で行なったセキュリティの設定変更の多くと、「セキュリティ設定ウィザード」という新しい機能が含まれ、性能も改善されるとDiStasioは説明している。
Microsoftは、2006年にWindows Server 2003のService Pack 2を提供し、その後2007年には次期大型アップデートとなる「Longhorn」のWindows Server版をリリースする。Longhorn Serverの第1ベータと呼ばれるテストバージョンは来年リリースになる見込みだ。
アナリストのなかには、MicrosoftがLonghornをスケジュール通りに発売するため、R2の計画を中止するかもしれないと考える向きもあった。しかしDiStasioは、サービスパックやR2のような中間リリースによって、Longhorn計画が遅延したり、企業のIT部門の負荷が過剰になったりすることはないと述べている。
「我々はすでに開発を進めている機能を(R2に)搭載しようとしている」とDiStasioは述べ、さらに「我々がR2のリリースで避けたいと考えているのは、同製品の核となる部分に変更を加えた結果、新しいテストの実施を余儀なくされることだ」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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