PeopleSoftを創業し最高経営責任者(CEO)を長く務めてきた人物の返り咲きが意味するのは、Oracleによる株式公開買付けの受け入れだろうか、それとも激しい長期戦への準備だろうか。
Craig Conway解任とDave Duffieldの復帰について多くのアナリストは米国時間1日、PeopleSoftがOracleの買収を受け入れることの前兆だろうと述べた。
Jeffries & CoのアナリストArt Hoganは、「これで買収に向けた障害がなくなると思う。ウォールストリートでは明らかにこのように見ている。今回のような状況でウォールストリートの予測が外れることは少ない」と語った。
そのほかには、確証はないとしたうえで、PeopleSoftの取締役会はOracleに抵抗するためDuffieldに助けを求めたのではないかという意見もあった。Adams HarknessのアナリストJohn Torreyは、「たいていの場合、CEO解任は会社が敵対買収先と交渉を始める用意があることを意味するが、Dave Duffieldの復帰は同社売却のためだという考えは大きな間違いだ。ただ、Dave Duffield以外をCEOに任命したのであれば、同社の方向性について違った考え方をしたと思う」と語った。
Conwayだけでなく、PeopleSoftの取締役会のなかに設置され、社外取締役で構成される取引委員会も15カ月前からOracleの買収提案を拒否する責任を負ってきた点をTorreyは指摘した。
16カ月近く続く業務ソフトウェアベンダ同士の攻防における最新の展開が、この突然のニュースだった。Conway解任のニュースを受け、PeopleSoftの株価は午後の取引で14%近く上昇して22ドル60セントをつけ、Oracleが提案する1株21ドルを超えてしまった。
PeopleSoftに迎え入れられるまでOracle CEOのLarry Ellisonの側近として活躍していたConwayは、Oracleによる買収に断固として反対していた。同氏はわずか数週間前、PeopleSoftが毎年開催するユーザーカンファレンスで反対運動の継続を表明していた。
あるアナリストは、Conwayの決意が同氏の解任を早めた可能性もあると述べる。Friedman Billings Ramsey & CoのマネージングディレクターDavid Hilalは、「Craig(Conway)は合併に強く反対していた。結局、同氏はこの問題の先鋒であるというイメージが確立してしまい、Oracleとうまく交渉をまとめるためには同氏の解任が必要になったのだろう」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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