コダックは9月28日、デジタルカメラメーカー7社が参画したプリント規格「“イメージリンク”プリント システム」に対応したプリンタ「プリンタードックPD-26」を発表した。
デジカメとプリンタを接続するのにケーブルが不要で、プリンタをデジカメの充電用クレードルとして利用できる点が特徴。他社にもOEM提供していく考えだ。
イメージリンクはEastman Kodakが提唱した規格で、コニカミノルタフォトイメージング、ニコン、オリンパス、ペンタックス、リコー、三洋電機が賛同している。26ピンのコネクタでデジカメとプリンタを直接接続するため、ケーブルが不要な点が特徴。充電機能を備えており、プリンタをデジカメのクレードルとして利用できる。
デジタルカメラ「LS755」と「プリンタードックPD-26」。プリンタの上にデジタルカメラを載せることで充電・印刷が可能 |
プリンタードックは2003年春に米国で発売され、全世界で初年度約1億ドルの売上を記録したという。日本でも7月からオリンピック記念限定モデルのデジタルカメラ「EasyShare LS743」と共に期間限定で発売され、デジタルカメラ購入者の約60%がプリンタードックを購入したとのことだ。「はっきり言って嬉しい誤算だった。“簡単”“きれい”のプリンタに対する潜在需要が大きいことが分かった」とEastman Kodak バイスプレジデント ワールドワイド デジタルカメラ・システム開発本部長 兼 コダック取締役副社長の小島佑介氏は話す。
イメージリンクのライセンス料は無料。ただし、プリンタは昇華型熱転写方式を採用し、コダックのカラーカートリッジを利用する必要がある。コダックは参画企業各社にプリンタをOEMで提供していく方針で、プリンタ用インクや写真用紙で収益を上げていく考えだ。
コダックは同日、デジタルカメラ2機種を発表し、日本市場への本格再参入を表明している。同市場は6月に出荷台数が初めて前年割れとなり、成長期から安定期に突入したとの指摘もある。この時点で再参入することについて小島氏は、「消費者はスペック競争で各企業の製品が似通ってきていることに飽きを感じており、価格がすぐ下落することに不信感を抱いている」と指摘。「イメージリンクが再び市場成長の原動力になるだろう」と自信を見せた。
「小島ベイビー第1弾」が登場
デジタルカメラは、500万画素のコンパクトカメラ「LS755」と光学10倍ズーム搭載の「DX7590」の2機種を用意した。なかでもLS755は日本市場への再参入のために小島氏が開発段階から携わった製品で、社内では「小島ベイビー第1弾」と呼ばれているという。独Schniderのレンズを採用し、光学3倍ズームと2.5型の大型液晶を搭載した。メモリカードにはxDピクチャーカードを採用している。
コダックが日本市場再参入のために開発したデジタルカメラ「LS755」 |
DX7590は光学10倍ズームのほか、3倍デジタルズームを備える。液晶は2.2型を搭載した。フルオートからマニュアルまでの設定ができるほか、16種類のシーンモードなどを備える。
価格はいずれもオープンプライスだが、LS755が4万円前後、DX7590が5万円前後、プリンタードックPD-26が1万8000円前後となっている。
具体的な販売目標数などは明らかにされなかったが、「2006年までにはデジタル・イメージング事業を黒字化したい」(小島氏)としている。
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