大規模ERPシステムを提供するSAPジャパンにとって、6月に出荷を開始した中堅・中小企業(SMB)向けERP製品SAP Business-Oneはすべてが新しいことづくめであった。製品も違えばマーケットも違う。もちろん、顧客へのアプローチ方法やサポートも違ってくる。そんなSAPに強い味方があらわれた。SAP Business-Oneの保守サポートを専門に扱う企業Support Oneの誕生だ。
Support One代表取締役社長の片桐良行氏(左)と、SAPジャパン副社長の関谷泰朗氏 |
SAP Business-Oneの第1次パートナーのひとつであるパーソナル情報システムは28日、同製品の保守サポートに特化したSupport Oneを設立したと発表した。資本金は2000万円。パーソナル情報システム代表取締役社長の片桐良行氏が100%出資し、新会社の代表取締役社長を兼務する。現在研修中という約10名のSEを抱えてのスタートとなる。
片桐氏は、「SAP製品は主に大企業向けで、規模の大きなプロジェクトが多かった。パートナーも大企業を得意とするケースが多く、SMBはあまりサポートしきれていないのが現状だ。しかしSMBは、ビジネスニーズに合ったよりきめ細やかなサポートを必要としている」と述べ、Support One設立の意義を説明する。
SAPジャパン副社長の関谷泰朗氏もSupport Oneの設立を歓迎し、「SAP Business-Oneの販売は、従来のパートナーだけでは成り立たなかった。この製品に関しては、顧客がより身近な相談ができるパートナーにすべてを任せたいと考えている。そのなかで、Support Oneの存在は心強い」と述べる。
Support Oneが提供予定のサービスは、システム導入、アドオン開発、トレーニング、マニュアル作成など、システム導入に向けた安定稼働支援サービスと、ヘルプデスク、コールセンター、緊急対応など、システム稼働後の保守サポートサービスとなる。
目標顧客獲得数などは、「現在まだ技術者の教育などを行っており、準備段階にすぎない」(片桐氏)として、明確には語らなかったが、SAPジャパンの関谷氏は、「年内に20社程度の導入、来年には100社程度の導入事例を期待したい」と述べた。
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