ニューヨーク発--Sun Microsystemsの幹部がおとなしいという評判はほとんど聞いたことがないが、しかし同社の新しい最高業務執行責任者(COO)は、Sunがこのやり方を改めたと謙虚に述べている。
同社COOのJonathan Schwartzは、Sunがドットコムバブルの崩壊後、顧客の望んでいるもの--Intelプロセッサを搭載したサーバや、MicrosoftのソフトウェアやIBMのメインフレームと問題なく動作する製品--を提供できなかったと語った。
「顧客がやってきても、我々には提供できるものがあまりなかった」と、Schwartzはニューヨークで21日(米国時間)に開催された四半期ごとの製品発売イベントで、出席者らに語った。「我々は彼らの話に耳を傾けなかった。そこで顧客は他の企業に注文を回した。我々の注意をひくためのすばらしいやり方だった」(Schwartz)
だが、いまや状況は変わったとSchwartzは言う。同社は3年連続の売上減少によって懲らしめられてきたが、前四半期には黒字に転換した。
Sunはこのイベントで多数の製品を発表し、同社から顧客を奪ったIBMやDell、Red Hatなどのライバルから主導権を奪い返す計画も明らかにした。発表された計画のなかには、コンピューティング能力を1プロセッサごとに1時間1ドルで販売するというものや、Linuxオープンソースオペレーティングシステム(OS)の24時間技術サポート、新ミッドレンジ・ストレージシステム「StorEdge 6920」、そしてIntelのXeonプロセッサのサーバから、Advanced Micro DevicesのOpteronチップを搭載したSunのサーバに乗り換えた顧客に560〜1250ドルの割引を行なう販促キャンペーンなどがある。
自らの失敗を認めているのはSchwartzだけではない。同社最高経営責任者(CEO)Scott McNealyも21日のオンラインチャットのなかで、x86サーバ用Solarisを積極的に売り込まなかった責任を認め、その損失を埋め合わせるために、Schwartzや最高技術責任者(CTO)Greg Papadopoulosらの努力が必要となったと述べている。「もっと早く売り込まなかったことの責任は私にある。JonathanやGregのおかげで、x86用Solarisを我々の戦略の重要な部分とすることができた」(McNealy)
このイベントに足を運んだ顧客はSunのこうした言い分に耳を傾けていたが、しかしSunはこれから自社製品の価値を証明しなければならない。「我々が本当にSunに期待しているのは技術革新だ。しかし我々にとって、価格もますます重要な要素となっている。我々にはもう最先端の技術を実装するだけの余裕がない。基本に戻って、性能とコストに基づいて製品を購入しなければならなくなっているのだ」と、ウォール街の金融関連企業でIT部門のバイスプレジデントを務める匿名希望の参加者は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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