悪戦苦闘が続くなか、Sun Microsystemsは金融業界にまだ多くの友人がいることを近々明らかにする模様だ。
Sunは、米国時間9月21日にニューヨークで記者会見を開き、さまざまな金融機関がSolaris 10やOpteronベースサーバの試験を開始していることを発表する予定だ。Solaris 10は、同社の主力商品であるオペレーティングシステム(OS)の次期バージョン。
ウォール街からの支持を得ることは、Sunにとって重大な意味を持つ。ここ数年間、同社には財政難、レイオフ、シェア低下というようなマイナスのイメージばかりがつきまとっていた。金融業界は、Sunが重視する3つの市場のうちの1つであった。
「Linuxが進出してきたため、Sunは金融サービス業界で大幅に後退した」と、IlluminataのアナリストGordon Haffは述べた。
Sunは再び活気を取り戻しつつあると、同社ネットワークシステムグループのエグゼクティブバイスプレジデントJohn Fowlerは主張した。同社は直近の会計年度にはまだ損失を計上していたが、6月締めの四半期には、売上が前年同期を上回り、3年間続いた前年割れの流れに歯止めをかけた。
今週初めに市場調査会社Gartnerから発表された第2四半期のレポートによると、Sunの出荷台数は、Hewlett-Packard(HP)やIBM、Dellに大きく水をあけられているが、ビッグ4のなかで最高の伸び率(38.4%)を示したという。
Sunの当面のライバルは、先ごろサーバおよびストレージ部門で予想を下回る業績を報告したHPと、Linux開発企業のRed Hatだ。
FowlerはHPのハイエンドサーバファミリーの2つに言及し、「TandemとAlphaは、この点ではゾンビだ。世間は、この2つの製品ラインが変わらなければならないことを知っている」と述べた。
Solaris 10でいくつかの機能が強化されたと、Sun金融サービス担当シニアバイスプレジデントのStuart Wellsは述べた。例えば、Dynamic Tracingという機能を利用すれば、企業のIT部門がより迅速にアプリケーションの最適化を行えるようになり、パフォーマンス向上とコスト低下につながるという。Sunの最終的な狙いは、これらの新機能によって、従来のUltraSparcベースのサーバであれ、Opteronベースの機種であれ、Solarisを実行するほうがLinuxよりも安く済むことを実証することだと同氏は述べた。
9月21日の記者会見では、ある大型金融機関での話が間違いなく再度披露されるだろう。Sunによるとその企業では、Solarisサーバをたった2人の従業員で管理しているのに対し、同等のLinuxサーバの管理には42人の従業員が携わっているという。
それでも、「われわれの最大の課題は、顧客のところへ出向き、順序立ててSolarisの優位性を証明することだ」とFowlerは述べた。
Linuxを中心とする同社の戦略は、机上では意味をなしていると、アナリストのHaffは述べた。金融サービス企業がLinuxに引きつけられたのは、比較的安いハードウェアで稼働できるからだ。SunがSolaris 10/OpteronサーバでLinuxのその利点を帳消しにできれば、顧客を取り戻すことができる。しかし、Sunは過去と違って、比較的手頃な価格の製品を販売するようになるため、絶頂期のような利益は期待できそうもない。
また、Haffによると、同社では異なる部門同士がより密接に協力できるように社内の再編成を断行したという。これまでSunの各部門は、管轄する製品の売上や利益の成長率に応じて評価されてきた。しかし今度から、各部門の業績は顧客をどれだけ獲得したかによって評価されるようになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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