Sun Microsystemsは、ローコストのLinuxサーバに対抗する取り組みの一環として、同社の営業担当者に対し、Solarisをバンドルする他社のハードウェア販売についてもコミッションを支払うことにした。
この戦術変更について、同社の最高業務責任者(COO)Jonathan Schwartzは、米国時間30日に自身のブログで説明を行った。
「たとえば、営業担当者がDellやIBM、もしくはHP(のXeonまたはNoconaチップ搭載サーバ)などの、他社のシステムとSolarisをバンドルして販売した場合、そのハードウェアの分までコミッションを支払う。すべてのシステムでSolarisをボリュームリーダーにするというわれわれの決意をはっきり伝えるのに、これ以上良い手は考えられない」(Schwartz)
この戦術の変更は、企業のデータセンターでますます普及が進むLinuxに対して、Sunが自社サーバの競争力を強化しようとしているなかで行われる。アナリストらによれば、Sunが現在抱える財務上の問題には、多くの企業顧客がSunのSparcサーバとSolarisを購入する代わりに、IntelもしくはAMD製のx86プロセッサを搭載する低価格のLinuxサーバを選んでいることに起因するものが多いという。
Linuxとの競争を受け、Sunはx86プラットホーム向けにSolarisを販売する方針を改めてはっきりと打ち出した。昨年、同社はAMDと提携し、64ビットプロセッサ「Operton」をベースにしたサーバの開発に乗り出している。Sunはまた、Solaris上でLinuxアプリケーションを動かすための「Janus」というソフトウェアも開発している。
Schwartzは、SolarisがすでにIntelの新しいサーバ用プロセッサ「Nocona」上で動かせる状態にあると記している。Noconaチップは 32ビットと64ビットのどちらのアプリケーションでも動かすことができる。
以前Sunのソフトウェアビジネス部門を統括していたSchwartzは、同社の財務基盤を再び安定させるために、社内文化に揺さぶりをかけようとしてきた。現在、Sparcベースのサーバが売上の大半を占めるSunは、Solarisと、Javaアプリケーションサーバやオープンソースデスクトップシステムのような他のソフトウェア製品の販売に一段と力を入れている。
Sunは長い間、自社のUltraSparcプロセッサに肩入れしており、またSolarisが他社のハードウェアで使われることはほとんどなかった。だが、現在のSunはx86チップ搭載サーバへのSolarisの搭載を積極的に進めており、さらにIBMのPowerチップやIntelのItaniumでSolarisを動かすという取組みも開始している。
Solarisは普及するかもしれないが、ライバルメーカーが、比較的中立の立場にあるLinuxと同じように、それを歓迎するとは思えない。今のところSolarisの知的所有権はまだSunにあるが、この状況が変わる可能性もある。Sunは、Solarisをオープンソースのソフトウェアとしてリリースする計画について、今年中に詳しい説明を行う予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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