Sun MicrosystemのSolaris OSはすでにx86プロセッサに対応しているが、同社は現在さらにIntelのItaniumやIBMのPowerチップ製品にも同OSを対応させることについて検討を進めている。
より多くのプロセッサにSolarisを対応させるというこのアイデアは、Sunが米国時間20日に開いた電話会議のなかで浮上したもの。同社は12四半期続いた減収が止まり、売上が増加に転じたことを報告した後で、このニュースを伝えた。Sunでは「Java Enterprise System」というサーバソフトウェアを競合他社のOS上でも動かす取り組みに乗り出しているが、Solaris OSの対応チップ拡大はこれと同時に行われることになる。
「われわれは、Solarisのユーザーベースを少しずつ増やしていくために、PowerチップやItaniumチップにSolarisを移植することを検討し始めている」と、この4月にCOOに就任したJonathan Schwartzは語った。Sunでは、自社の技術をできるだけたくさん普及させることが、ソフトウェアパートナーの獲得を容易にし、また将来のアップグレードやサービス、ソフトウェアの売上につながると考えている。
このSolarisプロジェクトは、Sunが打ち出した新たな積極的拡大策だ。同社は今後1年間で3300人を解雇し、5億ドルの経費削減を目指しているが、しかしSchwartzはこのプロジェクトを実現できると考えている。
「手を広げすぎることにならないと思う」とSchwartzはインタビューのなかで述べ、さらにSolarisとJava Enterprise Systemの拡張計画は、自分が始めたプロジェクトだと付け加えた。
Sunは長年、単一のプロセッサアーキテクチャと1種類のOSだけに開発の焦点を絞ってきた。Ultra SPARCチップとSolaris OSがこれにあたる。だが、そのSunも現在ではAdvanced Micro Devices(AMD)のOpteronやIntelのXeonなど、いわゆるx86チップに対応するSolarisを開発している。
同社は過去にItanium向けのSolaris開発に取り組んだこともあったが、しかしこのプロジェクトはIntelとの関係悪化から製品ができる前に中止になってしまった。
IntelとIBMにコメントを求めたが、20日時点では連絡が取れていない。
もともとItaniumの開発を始め、その後もIntelの開発に力を貸すなど最大のItanium擁護者であるHewlett-Packard(HP)は、Sunのこの動きについて、同社が問題を抱えている証拠だと捉えている。
「ハイエンドのサーバ市場では、ItaniumとPowerが一騎打ちの状態にあり、Solarisの拡張計画はSunがそれを認めたことを示している」と、HPのエンタープライズ・ストレージ/サーバグループでマーケティング担当のバイスプレジデントを務めるMark Hudsonは語った。「Sunがハードウェア、つまりSPARCチップとソフトウェアの両方の開発に注力しようとすれば、この計画は失敗するだろう。Sunにはそれほどの体力はない」と同氏は予言した。
SunのSchwartzによると、同社はこの取り組みを「非常に」真剣に検討しているという。また、この動きをサポートすることは、さまざまな競合他社にとっても最善の利をもたらすと同氏は主張している。
「販売台数を心配するのも、われわれとともにこの開発を行い、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)の数を増やすのも、すべてハードウェアベンダー次第だ」とSchwartz。「われわれは現在、Intelと非常に建設的な交渉を進めている。IBMは少し手強いが、最終的には合意に達するだろう」(Schwartz)
Schwartzによると、Sunの研究所ではSolarisがItaniumサーバ上で動いているという。
Sunはまた、Java Enterprise SystemをWindows、IBM版のUnixであるAIX、HP版のUnixであるHP-UXの各OSへ移植しようとしている。 このうちWindowsおよびHP-UXに対応するバージョンは年末までに登場すると同社は以前に明らかにしていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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