米Sun Microsystemsは、サーバソフトウェア・パッケージ「Java Enterprise System(JES)」を、2005年第1四半期にライバル企業2社のオペレーティングシステム(OS)上でも利用可能にする計画だ。同社はこの件について、米国時間27日発表を行う予定。
Sunは、Hewlett-Packard(HP)製のUnix互換OS「HP-UX」とMicrosoftのWindows上で利用可能なJESを2005年第1四半期に発売する予定。現在JESは、SunのUnix系OS「Solaris」とRed HatのLinux上でしか利用できない。
今回のJESの種類拡大は驚くべきことではない。Sunの新しい最高執行責任者(COO)であるJonathan Schwartzは今年3月に、同社がJESの新版の発売を計画していると述べていた。しかし、当時Schwartzは新版の発売時期について、より早い2004年末としていた。
Sunは今、独自に開発したSolarisやUltraSparcプロセッサ以外にも取り扱い製品を拡大する戦略を進めており、今回のJES拡張もその一環である。今や同社は、SolarisをAdvanced Micro Devices(AMD)のOpteronやIntelのXeonといったx86プロセッサに積極的に対応させ、デスクトップコンピュータ用Linuxを積極的に売り込み、さらにIntelのItaniumプロセッサやIBMのPowerプロセッサでもSolarisを試している。
Sunが打ち出しているこれらの新たな方向性は、同社の財政難に対応したもので、その多くはSchwartzの指示によるものだ。Sunは12期連続で売上減を記録していたが、今年の4〜6月期にようやく増加に転じた。もっとも、Microsoftから受け取った19億5000万ドルの和解金がなければ、これは実現しなかった。
各企業はSunに従業員1人当たり年間100ドル支払えば、JESを好きなだけ利用できる。Sunがそのような販売手法を採用している背景には、低価格かつ単純な価格設定で提供することにより、売れ行きが振るわない同ソフトの人気を向上させようという同社の思惑がある。Sunによると、JESはすべてのバージョンが同じ価格で提供されているという。
JESのHP-UX版はHPのPA-RISCプロセッサを搭載したサーバでしか利用できない。ただPA-RISCプロセッサは数年後にはIntelのItaniumプロセッサに取って代わられる。またSunは、IBMのUnix互換OS「AIX」上で利用可能なJESの開発も計画している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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