Wal-Mart Storesが、Wi-Fi対応のノートPCを600ドル以下の値段で販売し始めたが、アナリストらはこの動きについて、同社が年末商戦に向け本格的にノートPCで攻勢をかける可能性を示唆するものだとしている。
小売最大手の同社は、ワイヤレス通信機能を搭載したノートPCの販売を、7月末より開始した。このノートPCは、台湾のElitegroup Computer Systems(ECS)が製造したもので、Wal-Martのオンライン店舗でのみ販売されている。定価は598ドルで、割引やクーポンは適用されない。
これまでWal-Martは、デスクトップPCの販売に力を入れ、ノートPCについてはHewlett-Packard(HP)や東芝の一部のモデルに限って取り扱っていた。同社はまた、Linuxオペレーティングシステム(OS)を搭載した低価格マシンも販売している。
Current AnalysisのアナリストSam Bhavnaniによると、Wal-Martでは現在、2004年の年末商戦やその後に向けてノートPCの販売を強化するための新しい戦略を検討している可能性があるという。Current Analysisは小売業の販売状況を追跡するサンディエゴにある企業。
「このノートPCは、かなり初心者を意識したシステム構成になっている。しかしワイヤレス機能も備えており、値段を考えると非常に訴求力がある。これが店舗に並び始めたら、大手メーカーの製品にとっては脅威だろう。Wal-Martの顧客は、店舗で実際の商品を目し、価格を見れば、そのまま買っていくはずだ」(Bhavnani)
このノートPCには、14.1インチのディスプレイを備え、AMDのAthlon XP 1600+プロセッサや、128MバイトのRAM、40Gバイトのハードディスク、DVDドライブを搭載する。ワイヤレス通信機能はWi-Fi 802.11bの規格に準拠しており、OSはWindows XP Home Editionが付属する。Wal-Martのウェブサイトによると、この製品には1年間の品質保証が付くという。
500ドル程度のノートPCを小売店が販売するのはよくあることだが、Wal-Martのこの製品は、顧客がディスカウトの適用を受けたり、クーポン券を使わなくても、598ドルで購入できるという点で際立っている。
さらに、Wal-Martが販売するECSマシンには、最近ノートPCでも一般的になりつつあるWi-Fi機能が搭載されているが、今回のように破格の値段で同機能が提供されることは少ないとBhavnaniは述べている。
一方、このPCにはわずか128Mバイトしかメモリが積まれておらず、人によってはそれを短所と見なすかも知れない。競合するシステムは、256MBのメモリを搭載している場合が多い。しかし、同モデルの価格を考えれば、初めてPCを購入する顧客や価格にうるさい顧客は、この程度のことは大目に見るのかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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