米Linare(旧称:Aureex)は米国時間6月23日、199ドルのLinux搭載コンピュータの販売を開始することを発表した。ソフトウェアとハードウェアをてがける同社は、2000年に設立された新興企業で、現在30人の従業員を抱えている。
今回発表した製品は、自社版Linuxを搭載し、動作周波数1GHzの台湾Via Technologies製のIntel互換プロセッサを採用。128MBのメモリ、20GBのハードドライブ、KDEグラフィックインターフェース、OpenOfficeソフトウェアを装備する。なおLinareは、動作周波数2GHzの米Advanced Micro Devices(AMD)製Athlonプロセッサを搭載したモデルを、8月に249ドルで販売する計画だ。
これまで米Ebiz Enterprisesなどの企業が廉価なLinux搭載機で米Microsoftに対抗しようとしたが、失敗に終わった。しかしLinareは、「当時よりLinuxの普及が進んでいること、また当社が200ドルのパソコンを販売する他メーカーよりも優れた技術サポートを提供すること」を挙げ、成功を確信している。Linareは技術サポートをインドにアウトソーシングし、人件費を安く抑える戦略だ。
Linareは北米、英国、インドで製品をリリースするが、今年末をめどに18カ国に販売を拡大する予定である。
アナリストらは、米国などの成熟した市場では苦戦を強いられるものの、インドでは勝算が高いと予測している。米IDCのアナリストのRoger Kayは、「米国では、価格が安いだけの理由ではコンピュータは売れない。しかしインド市場は、価格にとても敏感に反応するだろう。Windowsに縛られた巨大なインフラがあるわけではないので、互換性についてはあまり気にしないからだ」と指摘する。また、インド政府は一部に、Linuxなどのオープンソースソフトウェアを導入しており、米IBMもインドでLinux搭載機を販売している。
米Giga Information GroupのアナリストのStacey Quandtは、Linareが米国で販売チャネル確保の問題に直面すると指摘する。米Wal-Martなどの低価格小売店は、廉価なLinux搭載コンピュータをオンライン販売しており、おそらく実店舗でも並べるようになるだろう。しかし、Linareは自社をハードウェアよりもソフトウェア企業として捉え、コンピュータメーカーとの提携関係確立に熱心だ。「自社コンピュータでソフトウェアを販売するだけでなく、IBMや米Gatewayなどの企業との提携により、様々なチャネルで販売していく」(Linare)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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