Linuxソフトウェアの販売を強化するWalmart.com

 米NeTraverseは、米国時間20日に同社のWin4Lin 5.0ソフトウェアが、大手小売チェーン米Wal-MartのオンラインストアであるWalmart.comで販売されるようになったと発表した。同ソフトでユーザーはLinuxベースのPC上でMicrosoft Windows用のアプリケーションを実行できるようになる。

 これでNeTraverseは、Walmart.comで製品を販売できるわずか3社しかないLinuxソフトウェアディストリビュータの1社となる。他の2社はLindowsとLycorisだ。同サイトは、Microtel Computer Systemsが製造したLinuxベースのPCも販売している。

 NeTraverseによれば、Win4Lin 5.0ソフトウェアでユーザーは従来のWindowsデスクトップ環境に1つのアプリケーションとしてアクセスでき、Linuxオペレーティングシステム上で既存のWindowsアプリケーションを起動できるという。また同ソフトによって、WindowsとLinuxアプリケーションは同じファイルシステムやシステムリソースを共有できる。

 「Linuxをインストール済みの低価格のPC上で、ユーザーが使い慣れたWindowsアプリケーションを起動できるようになれば、デスクトップ上でのLinuxの採用を促進するうえで大きな進歩となる」と、NeTraverse社長兼CEOのJames Curtinは声明で述べた。「これまでは、利用できるアプリケーションがなかったため、ユーザーはデスクトップ上でLinuxを採用することに消極的だった」

 一部の業界ウォッチャーは、Wal-Martのような有力オンライン小売サイトにWin4Lin 5.0のようなLinuxベースの製品がどっと出回ることは、オープンソースのLinuxオペレーティングシステムにとって重要なことだと考えている。しかし、IDCアナリストのAl Gillenは、このような取引が必ずしもエンドユーザによるソフトウェアの急速な採用につながるわけではないと述べた。

 「Linuxはこのような取引によって飛躍的には伸びない。Walmart.comに並べるだけでは、一般市場にLinuxを売り込むための特効薬にはならない」と、Gillenは説明する。

 IDCの調査によれば、昨年米国で販売されたコンシューマクライアントソフトウェアのうち、Linuxのシェアは3%にも満たなかった。これに対し、MicrosoftのWindowsは94%、Apple ComputerのMac OSは3%以上を占めた。Gillenは今年はLinuxのマーケットシェアが伸びるだろうと述べたが、相当な伸びになるとまでは断言しなかった。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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