独SuSE Linuxは、コンシューマー・デスクトップユーザーにより一層アピールするため、低価格パソコンメーカーの米Microtel Computer Systemsおよび小売再大手の米Wal-Mart Storesとディストリビューション提携を結んだ。これにより、オンラインストアWalmart.comで、SuSE Linux 8.2がプレインストールされたパソコンが販売されることになる。
SuSEはドイツの企業だが、この契約はWal-Martが本拠を置く米国内に限定される。Wal-Martは昨年、Microtelがアセンブルしたパソコンをオペレーティングシステム(OS)なしで販売し、パソコン業界を驚かせたことがある。
Wal-Martはその後、SuSEの出したものと同スペックのパソコンを、Lindowsプレインストールで販売した。Lindowsは、一般的なWindowsアプリケーションが稼動するよう調整されたLinuxのバージョン。これは、平均的パソコンユーザーには複雑すぎるとしてしばしば批判されてきたLinuxが、一般に受け入れられた点で画期的な出来事として捉えられた。Wal-Martはその後、Mandrake Linuxベースのパソコンの販売も開始している。
SuSEも、技術にあまり詳しくないユーザーにLinuxを使いやすくしようと取り組んでいる。同社は先月、企業デスクトップ向けLinuxバージョンEnterprise Server called SuSE Linux Desktopを発売した。このバージョンでは、Windowsのソフトウェアが利用できるほか、Windowsネットワークとも通信が可能だ。
SuSE 8.2はエンドユーザー市場をターゲットとしているが、同様の機能が多数含まれている。ちなみに、SuSEはLinuxサーバ市場で、市場トップのLinuxディストリビューターRed Hatとも競争している。
SuSEベースのパソコンの価格は298ドルからとなっており、わずか199ドルで販売したこともあるMicrotelにとっては最も安い価格ではない。このパソコンには、Microsofot Officeと互換性のあるOpenOffice.orgと、ウェブブラウザのMozilla、Netscape Navigator、Konquerorのほか、画像処理やマルチメディア、ゲームなどのソフトウェアがプレインストールされている。
「この新製品には、手頃な価格で革新的なLinuxシステムへの需要が伸びていること、そしてオープンソースが広く受け入れられていることが反映されている」と、SuSEの米大陸担当総合責任者Holger Dyroffは声明のなかで述べている。
Wal-Martは通常、Linuxパソコンを、最も安いWindowsシステムより約100ドル程度安く提供している。しかし、この程度の値引き額では、消費者が慣れないOSを使ってみる気にはならないかもしれない、と言うアナリストらもいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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