カリフォルニア州メンローパーク発--世界最大の小売チェーンであるWal-Mart Storesは、Sun Microsystems版のLinuxオペレーティングシステム(OS)を搭載したMicrotelパソコンの発売を開始した。
「Wal-Martは、Sun Microsystemsのパソコン供給会社であると、我々は真剣に考えている」と、SunのソフトウェアグループトップのJonathan Schwartzは30日(米国時間)、メンローパークでの記者会見で語った。同氏はまた、ヨーロッパのある銀行がATM1万台にSunのLinuxソフトウェアを導入したことを明らかにした。この銀行の名は公表されなかった。
Sunはサーバの販売から主な売上を得ているが、MicrosoftやPCメーカー各社への攻撃を拡大する手段として、Linux OSを利用している。しかしこれは、単なるLinux戦略に留まらない。同社のJava Desktop Systemソフトウェア製品はLinuxをベースにしたものだが、今後同社のSolarisバージョンのUnix OSでも利用可能になる。
Wal-Martでは、この他にも、NovellのSuSE LinuxやLycoris、LindowsなどのLinux OSを搭載したMicrotelパソコンを販売している。
同小売りチェーンで販売されるモデルは数タイプあり、価格は298〜698ドル。398ドルのMicrotel SYSWM8003は、Advanced Micro Devices(AMD)のAthlon XP 2400+プロセッサと、メモリ128MB、CD-ROMドライブ、40GBハードディスクという構成で、SunのStar Officeソフトウェアスイートが同梱されるが、モニタは別売りだ。また、698ドルのSYSWM8006にはIntelのPentium 4プロセッサと256MBのメモリ、80GBのハードディスク、CD-RWとDVDのコンボドライブが付属している。
Microsoft Windowsの牙城であるデスクトップ分野で、各社が大胆な挑戦を挑むようになり、デスクトップ用Linux市場は熱気を帯びつつある。
先週にはPC販売で首位に立つHewlett-Packard(HP)が、SuSE Linux搭載パソコンの発売を発表。このSuSE Linux搭載モデルは、2004年後半に出荷が始まる見込みだ。Linuxディストリビュータ最大手のRed Hatも、2004年中にデスクトップLinux製品を発売すると、同社最高経営責任者(CEO)Matthew Szulikが先週明らかにしている。
Schwartzは、SunのライバルにあたるDellが、ハイテク業界のWal-Mart的存在になると考える向きもあるが、Sunの考え方は違うと述べている。
「我々は、ハイテク業界のWal-Martになる可能性が高いのは、(DellなどのPCメーカーではなく、Linux搭載の廉価なPCを数多く販売する)Wal-Mart自身だと、真剣に考えている」(Schwartz)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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