Intelによるテレビ分野への参入は、結局来年まで見送られることになった。
同社は米国時間16日、低価格の大画面テレビを実現するチップを今年は出さず、商用リリースに向けて開発を続けてきた同チップを見直すことを明らかにした。
Intel社長のPaul Otelliniは、1月のConsumer Electronics Show(CES)で、「Cayley」(開発コード名)というこのチップを使えば、年末までにはテレビメーカーが大画面プロジェクションテレビを1800ドル以下の価格で投入できるようになると発表した。中国のTCLは、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)技術をベースにしたCayley搭載テレビを発売すると確約していた。
Intelは、Cayleyの見直しおよび発売延期の理由を詳しく語っていないが、現在までの開発状況に満足していないようだ。
同社広報担当のShannon Loveは、「今年は製品を市場に投入しない。われわれは、一段と明確な製品の差別化と画質向上を実現する道を選ぶ」と述べている。
今回の計画延期以前にも、同社ではスケジュールの遅れが続いていた。先月も、このような失策からCEO(最高経営責任者)のCraig Barrettが社員を叱咤する電子メールを送ったという出来事があった。同社は、7月には4GHz版Pentium 4とPentium Mノートブック用チップセットの「Alviso」のリリース延期を発表。さらにデスクトップ用プロセッサの主力モデルであるPentium 4 560/3.6GHzの供給量が非常に少ないことも発表した。
Intelによる今回の発表は、Texas Instruments(TI)などのライバルを勢いづけることになると思われる。TIは、DLP(Digital Light Processor)と呼ばれる競合チップをSamsungなどの企業向けに製造している。Samsungの幹部や一部のアナリストは、Intelの計画を当初から疑問視してきた。LCOSは半導体でコントロールする鏡で、基本デバイスは数年前から存在しているが、市販製品は大々的な普及に成功していない。
Samsungのデジタルメディア事業部担当バイスプレジデントのDavid Steelはこの5月に、「LCOSはまだ技術と業務事例が確立されていないようだ」と語っていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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