Sun Microsystemsが、Linux販売大手のNovellを買収するアイデアを検討している。26億4000万ドルの市場価値を持つ同社を買収すれば、ライバルのIBMにとって痛手となるという読みがこの背景にある。
Sunの最高業務責任者(COO)Jonathan Schwartzは米国時間1日に行われたインタビューのなかで、Novellを買収する可能性について、「わが社の財務状況を考慮しながら、あらゆる選択肢を検討している」と語った。「IBMが依存するオペレーティングシステム(OS)を所有したら、いったいどれくらいの価値になるだろうか。比較になるのは、Microsoftだ」(Schwartz)
IBMが、自社のPC用OSについてMicrosoftに依存していたことは有名だ。 Schwartzは同日に公開した自らのBlogで、IBMはLinux販売で首位を走るRed Hatが強力になりすぎないよう、同社の対抗馬としてNovellのSuSE Linuxを利用していると説明した。
しかし、いくつかの要因から、この買収の実現可能性は低いと思われる。まず、Sunには現金と換金可能な証券類を合わせて76億1000万ドルの資金が手元にあるが、Novellの市場評価額は7月30日時点で26億4000万ドルと決して安い買い物ではない。
またSunには2003年にもっと安い金額でSuSE Linuxを買い取る機会もあった。実際に、同社はこの時買収の申し入れをしており、そのためNovellは当初の提示額1億3000万ドルから、さらに買収金額を引き上げなくてはならなくなった。結局、Novellは2億1000万ドルを支払ってSuSEを手に入れたが、この買収の一環としてIBMから5000万ドルの投資を受け入れることになった。
加えて、SunのJava Enterprise Systemサーバソフトウェアには、Novellのソフトウェア製品と重複する部分も多い。ただし、Schwartzは、SuSE以外のNovell製品には「あまり興味はない」と述べている。
NovellとIBMにコメントを求めたが、同日夜には得られなかった。
なお、この買収の可能性に関するニュースはまずWall Street Journalによって報道された。
Sunのナンバー2に就任して以来、Schwartzは同社でいくつかの大胆な改革に取り組んできている。たとえば、同社のサーバソフトを競合他社のOSに移植したり、Solaris OSをIntelのItaniumやIBMのPowerプロセッサ搭載サーバでも動くようにすることなどもその例だ。
IBMのPowerチップ搭載サーバやメインフレーム上で動作するSuSE Linuxを手に入れれば、SunによるSolaris普及の取り組みが加速する可能性があると、Schwartzは述べている。
SunではいずれSolarisをオープンソース化する計画を検討している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」