Novellが米国時間8月3日、フラグシップであるLinuxサーバ製品の最新バージョンを発表する予定だとある情報筋が明らかにした。またこの最新製品は、オープンソースオペレーティングシステム(OS)であるLinuxの最新カーネルをベースにして構築されているという。
ソフトウェアベンダのNovellは、サンフランシスコで開催予定のLinuxWorld Conference and Expoで、SuSE Linux Enterprise Server(SLES) 9を発表する計画だ。Novellは複数のLinux OSを販売しているが、SLESは同社の主要なサーバ製品である。現行のSLES 8は2002年11月に発表された。情報筋によると、SLES 9は3日に発売が開始され、デュアルプロセッササーバ対応のもので保守料金が年間349ドルになるという。
情報によると、今回のサーバLinuxでは、最新のカーネル2.6がコアに取り込まれているという。Novellはすでに、カーネル2.6を採用したLinuxバージョンを発表しているが、SLESは広範なサポート、ソフトウェアおよびハードウェアベンダとの提携のもとに提供される主力商品となる。
今年初めにSuSE Linuxを2億1000万ドルで買収したNovellは、この件についてのコメントを控えている。だが同社は以前、SLESの最新版発表は2004年中旬になると述べていた。
SLES 9は、Linux分野での実績を確立し、独占状態のLinuxディストリビュータRed Hatからシェアを奪取しようと取り組むNovellにとって、重要な位置付けにある。
調査会社IDCのアナリストDon Kusnetzkyは30日、デスクトップおよびサーバLinux市場において、SuSE Linux製品は現在Red Hatに次ぐ第2位につけており、今後もこの地位を維持することになりそうだと述べた。
カーネル2.6では、大きな変更が行われており、この変更のおかげで、企業顧客のLinuxに対するイメージが変わる可能性がある。カーネル2.6は前バージョンと比較して、大規模なマルチプロセッサシステム上でスムーズに動作し、管理も容易で、データベースのサポートも強化されている。
「MicrosoftがWindows NT 4.0を発表したときのように、カーネル2.6は、ユーザーの認識を変える役割を果たすことになるだろう」とRedMonkのアナリストJames Governorは言う。「Linuxはさらに真剣に受け止められ、エンタープライズ級の環境として扱われるようになるだろう」(Governor)
Red Hatは、カーネル2.4ベースのRed Hat Enterprise Linuxのいくつかの機能をアップデートしている。だが、カーネル2.6を完全にサポートしたバージョンのリリースは、2005年以降になる予定だ。
前バージョンのSLES 8と同様、SLES 9は「x86」チップ(IntelのXeonやAdvanced Micro DevicesのOpteronなど)だけではなく、IBMのPowerやIntelのItaniumもサポートする。それに加えて、8月2日に搭載サーバが出荷予定のIntelのNoconaなど、IntelとAMDの64ビット拡張機能を備えたx86プロセッサもサポートしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」