メーカー各社にとって、液晶テレビにはより大きな粗利が取れるという魅力があり、さらにこれが次世代の液晶パネル工場のもつ柔軟性や効率性の高さと相まって、このビジネスに大きな変化をもたらそうとしている。
新しい液晶パネル工場が稼働しはじめると、市場に出回るパネルの生産量が劇的に増加することになる。こうした工場ではますます大型のガラス基盤を扱えるようになり、1枚のガラスからつくれる液晶パネルの数が増えるからだ。S-LCDの最新の工場は、最先端をいく第7世代の製造設備を持つが、ここでは74x87インチのガラス基盤を扱える。この大きさのガラス基盤からは、17インチなら40枚、また46インチなら6枚のパネルがとれる。Samsung幹部の話では、この工場では1カ月あたり6万枚のガラス基盤を加工できるという。
これに対し、旧式の第5世代工場などでは、扱えるガラス基盤の大きさは43x51インチで、17インチなら12枚、46インチなら2枚しか液晶パネルがとれない。こうした工場では最大で12万枚のガラス基盤を加工できる。
第6・第7世代にあたる大規模な液晶パネル工場には、テレビ向けの液晶パネルを効率的に生産できるところも多い。テレビ用の液晶パネルは、パソコンのモニター用よりもサイズが大きく粗利も多い。
アナリストの推定によると、液晶テレビの粗利は、パネルのサイズや製造設備の世代にもよるが、概ね10%台の中間から後半だという。しかし、こうした粗利率を維持するのは難しいため、各社とも大型パネルを効率よく生産できる大規模工場の建設に力を入れてきている。LG.Philips LCDでは、IPOで調達した資金を次世代製造設備を持つ工場の建設費用にあてる予定だ。一方ソニーでは、液晶テレビの組み立て工場を韓国に建設することで、他のテレビメーカーよりも迅速に需要に応えられるようにするという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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