消費者は液晶ディスプレイ(LCD)のテレビは欲しいようだが、コンピュータモニターとなると、それほど食指が動かないようだ。
調査会社iSuppliが米国時間23日に発表したレポートによると、今年の第1四半期の液晶テレビの世界的な出荷台数は、2003年第4四半期から31%も増加し、160万台に達したという。一方、同社が今週始めに発表した調査結果では、同四半期におけるデスクトップとワークステーション向けの液晶モニターの販売台数は、2003年第4四半期と比べて落ち込んでいるという。
LCDパネルを利用したモニターやテレビは、従来のブラウン管ディスプレイ(CRT)と比べ、薄くて軽量だ。しかし、ブラウン管を採用したモニターやテレビの方が、液晶のディスプレイより、ずっと安い。昨年は、LCDパネルの供給不足により、液晶モニターの価格が上昇した。
供給不足の原因の1つは、液晶テレビの需要が高かったせいだ。また、多くのコンピュータメーカーが、液晶テレビ分野に進出し、競争がさらに激化した。第1四半期における液晶テレビの販売は、値下げによってさらに促進されたと、iSuppliはコメントした。「サプライヤーが攻勢をかけていることも液晶テレビの知名度を上げ、消費者による受け入れを促進し、有力小売店での陳列スペース獲得につながった」と、iSuppliは付け加えた。
「新しい生産設備で30インチ以上の大型セットの製造が本格的に始まったため、今年、液晶テレビの需要が劇的に高まり、この傾向は来年以降も続く」と、iSuppliは見ている。
しかし、液晶モニターは第1四半期に消費者の関心を引かなかった。「ここ5年間、全体的なモニター需要が落ちていた時でさえ、液晶モニターに対する需要は四半期毎の伸びを示していた。これは、特筆すべき現象である」と、iSuppliのアナリストRhoda Alexanderはレポートのなかで述べている。
第1四半期に液晶モニターの需要が落ち込んだ最大の要因は、15インチのパネルやモニターが急に品不足に陥ったためだと、Alexanderは分析した。「15インチ液晶モニターが欲しかった人の一部は17インチ以上の液晶モニターを代わりに求めたが、大半は別の方向、つまりブラウン管モニターに向かった」と、同氏はレポートで述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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