フラットパネルディスプレイの価格変動は落ち着き、薄型平面テレビや液晶モニターの価格は低下すると見られている。しかし、いまのところは、需要と供給のバランスの舵取りが、短期的にメーカー各社や消費者に影響を与えている状況だ。
たとえば昨年末、各メーカーは大画面テレビへの消費者の需要が高まることを予想して、大画面液晶パネルの生産ラインを増やした。これにより、PC用の液晶モニターの生産台数が減り、後に供給不足状態に陥ってしまった。その結果、第2四半期には15インチのモニタの価格が300ドルから349ドルへと16%上昇したと、DisplaySearchは述べている。
ところで、大画面テレビの需要は増加したのだろうか。実は、出荷台数は増えたものの、メーカーが期待していた市場の不安定性に対する解決策とはならなかった、とアナリストらは指摘する。
「液晶テレビは万能薬のはずだったが、(出荷台数は)期待したレベルには達しなかった」(Jakhanwal)
DellやGateway、Hewlett-Packard(HP)などのPCメーカーまでが、魅力的に映る液晶テレビ市場に関心を示している。
世界全体における第1四半期の液晶テレビ出荷台数は176万台の見込みだったが、実際にはこれを下回り168万台前後になったとiSuppliは述べている。アナリストらは値段の高さが予想を下回った原因だと指摘している。
iSuppliによると、ソニーやシャープなど一流メーカーの30インチ液晶テレビの価格は約4000ドル。これに対し、薄型の42インチ・プラズマテレビは500ドルほど安く売られているという。
現在市場は液晶パネルの供給過多状態にあるため、今年中は価格の低下が見込まれている。これはSamsungの液晶部門バイスプレジデントCho Yong-dukが、先週ソニーとSamsungの合弁会社であるS-LCD設立時に記者団に述べたものだ(ライバルのLG.Philips LCDが株式公開するちょうど1週間前にYong-dukがこの発言を行なったことは、注目に値するだろう)。
競合メーカー各社に遅れまいと、新規工場を開設してさらに大画面のパネルを大量生産するメーカーが増えることから、今後もこの供給過多が続くと見られている。
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