市場調査会社DisplaySearchが25日(米国時間)に発表した調査結果によると、薄型の液晶ディスプレイ(LCD)の販売台数が、今四半期に米国市場ではじめて、従来のブラウン管ディスプレイ(CRT)を上回る見込みだという。
また、調査会社iSuppli/Stanford Resourcesが25日に発表した予測によると、今年携帯電話用のカラーLCDは出荷台数でモノクロのLCDを追い越す見込みで、これもLCDの躍進ぶりを示すものだ。
iSuppliの調査によると、2004年度の全世界でのLCDの売上は、前年比32%増の470億ドルに達すると見込みだという。なお昨年の同売上は、27.9%増の357億ドルだった。同社によると、今年の売上の伸びは、デスクトップPC用のモニターやノートPC、テレビなどに搭載されるLCDの増加によるもので、今後はこれらの用途に使う大型の薄膜トランジスタ(TFT)LCDの需要が急増するという。
またDisplaySearchは25日に、今年の第2四半期には、全世界での液晶モニターの販売台数がCRTを初めて上回るとの予測を発表した。同社は、より大型のフラットパネルディスプレイの需要を示す結果についても報告している。同社によると、昨年の第3四半期に米国市場で17インチLCDの台数が15インチLCDの販売台数を上回った。また、第4四半期の暫定的な結果をみると、北米市場は、17インチLCDが世界市場のなかで最も台数が多くなりそうだという。
一方、iSuppli/Stanford Resourcesの発表によると、全世界の携帯電話利用者が、カラーディスプレイ搭載の携帯電話機を急速に利用するようになっているという。こうした携帯電話には、デジカメ機能が付いているものも多い。同社の話では、日本市場ではほぼ全ての携帯電話機がカラーディスプレイを搭載しており、また韓国や台湾でもその割合が急激に増加しているという。さらに、北米やヨーロッパをはじめとする他の地域では、カラー画面付き携帯電話の普及はまだ一部に限られているものの、急速に成長中だという。
iSuppli/Stanford Resourcesによると、携帯電話用ディスプレイのなかでカラーLCDが占める割合は、2003年の48%から2004年には60%まで伸びるという。さらに、2007年までにはこの割合が89%になると同社では予測している。
なお、LCDは有機ELディスプレイと競合しているが、有機ELディスプレイはさらに薄型で低消費電力のディスプレイを実現するといわれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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