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IBMの復活--DAY1 進化:未来は今 - (page 4)

Martin LaMonica and Mike Ricciuti(CNET News.com)2004年07月26日 10時01分
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宿敵ふたたび

 かつてIBMを哀れんだこともある競合他社も、IBMが勢いを取り戻したのを見るとすかさず手を打った。4月にMicrosoftとSun Microsystemsが発表した大筋の合意内容には、両社が技術面での相互運用性の強化に取り組むことが明言されている。Forrester ResearchのアナリストJohn Rymerは、製品の相互運用性を高めることはIBMに対する保険になると指摘する。異なるシステムを統合するサービスはIBMの大きな収益源となっているからだ。

 「われわれの最大のライバルが誰かに疑問の余地はない--IBMだ」とMicrosoftのシニアバイスプレジデントBob Mugliaは述べている。

 自信を深めた新生IBMは、苦い敗北の地、デスクトップ市場に再び帰ろうとしている。Microsoftのお膝元で、同社に挑もうというのだ。IBMは今年5月に新しい「Workplace」イニシアチブを発表したが、これにはネットワークサーバからブラウザ経由で利用できるいくつかの基本的なアプリケーションが含まれている。

 WorkplaceはIBMの技術戦略を端的に示している。パッケージそのものはLotusのコラボレーションソフトウェアやEclipseのオープンソース技術など、既存のコンポーネントを活用したものにすぎない。IBMの戦略は、これらのコンポーネント(プロセッサ、ソフトウェア、コンサルティングに用いるビジネスプロセステンプレートなど)を組み合わせ、業界ごとにカスタマイズされた製品を顧客に提供することだ。

 各産業に特化したパッケージを開発するために、IBMは10億ドルを投じて業界知識を備えたパートナーや独立系ソフトウェアベンダーと提携する計画を発表した。IT投資の拡大が予想される中規模企業市場でIBMが存在感を高めるためには、このパートナー・アウトリーチ・プログラムが要となる。

 しかし、IBMにとってデスクトップ市場は馴染みのある場所ではない。一方、迎え撃つMicrosoftは盤石の構えでその領土を守っている。しかも、同社はすでに何千もの独立系ソフトウェアベンダーとパートナーシップを結び、中小企業の間で大きな顧客基盤を築いている。コストや使い勝手よりもパフォーマンスを重視する大企業相手のやり方では、中規模企業市場に食い込むことはできない。あるMicrosoft幹部は、IBMは公平なパートナーになることより、パートナーネットワークを支配することに関心を持っていると指摘する。

 「IBMの狙いはIBM製のメインフレームとサービスを売ることだ」とMicrosoftのプラットフォーム戦略・パートナーグループのプロダクトマネジャーAdam Sohnはいう。

 また、競合各社はIBMの製品にはまとまりがないと批判する。確かに、ITマネジャーが必要とするものをワンストップで提供するためには、買収は有効な手段だった。しかし、そうして手に入れた新しい技術は、レガシーシステムと同様に、IBMの技術的整合性を損なう一因となっている。

 「遅れを確実に取り戻すために、そして市場の最前線に立つために、IBMは買収を繰り返した。しかし、その成果は必ずしも製品ラインに統合されたとはいえない」と、輸送サービス会社Con-Wayの情報サービス担当バイスプレジデント、Jackie Barrettaはいう。

「ビッグブルー」の「ビッグ」が意味するもの

 統合の問題はあるにせよ、IBMの広範な製品ラインが何らかの競争力になることは間違いない。また、企業はIBMのビジネスコンサルティング能力に魅力を感じるだろう。同社は2002年にPricewaterhouseCoopersのコンサルティング部門を買収し、サービス部門を強化した。この買収がもたらした3万人のコンサルタントは、急成長中の「ビジネスプロセス・アウトソーシング(BPO)」市場でIBMの戦略を支えている。

 BPOとは、企業がビジネスプロセス(人事、財務、サプライチェーンロジスティクスなど)そのものを外注することを指す。IBMはBPO市場でのシェアを拡大したいと考えている。従来のIT市場の規模を1兆2000億ドルとすると、BPO市場は約5000億ドル規模になるとIBMは見こんでいる。

 これらの取り組みは、どれもIBMの「大きさ」を頼みにしたものだ。大きさはIBMにとって最大の強みともいうべき特徴だ。IBMが巨大な企業であるというだけで、有効性は明確でなくとも、企業はオンデマンド・コンピューティングを信用し、業界他社はIBMに追随する。Hewlett-Packard、Sun、Oracle、Microsoft、Computer Associates International、Veritas Softwareといった企業はいずれも、コンピューティング需要の変化に即時に対応できるデータセンターの実現に取り組んでいる。企業はいずれ、必要なコンピューティング資源を必要な分だけ購入することができるようになるだろう。

 「IBMはITプロバイダーのあるべき姿を提示しようとしている。ITベンダーがハードウェアだけを売っていた時代は終わった」とIlluminataのEuniceはいう。「競合他社がやっていることは、IBMのあからさまな模倣にすぎない」(Eunice)

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