マイクロソフト古川氏、シームレスコンピューティングに向けた取り組みを語る

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年07月08日 18時20分
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 「すべての家庭にコンピュータを」というビジョンを持ち、1975年に創業したMicrosoft。昨年9月には組み込みシステムの研究を行うT-Engineフォーラムにも参加表明を果たし、TRON開発者の東京大学教授、坂村健氏とも握手を交わしたマイクロソフト最高技術責任者の古川享氏。同氏は7月7日、「組込みシステム開発技術展」の基調講演にて、デバイスがますますスマートになってすべての機器がつながるシームレスコンピューティングが実現間近だと述べ、そのための課題と同社の取り組みについて語った。

 古川氏はまず、シームレスコンピューティングの実現に向けて課題を提唱した。デバイスが多様化し、機能も複雑化の一方をたどっている点だ。単一メーカーから出荷される製品であっても、製品ごとに使い方を覚えなくてはならないことや、人とコミュニケーションを取りたい場合にメールや電話、ファクスなど、それぞれを個別に使いこなさなくてはならないことについて、古川氏は「デバイスを組み合わせて使いたい場合のことを考えていない。ユーザーにとって重要なのは機能や技術ではなく、何ができるかということだ。もっとユーザーの視点に立った開発が必要なのではないか。メーカーを非難するわけではないが、(シームレスコンピューティング実現を目前にした)今だからこそ、この課題について真剣に考えるべきではないか」と述べた。

マイクロソフト最高技術責任者の古川享氏

 古川氏は、コンピュータの世界がPCからクライアント/サーバ時代へと変化し、それがインターネット時代に移り変わったと語る。「次に来るのはWebサービスだ」と同氏は述べ、「Webサービスを通じてモノとモノがやりとりできる時代が来る。これがシームレスコンピューティングだ」という。「シームレスコンピューティングでは、システム、サービス、デバイス、アプリケーションなどすべてがつなぎ目なく結びつく。これまでPCはPCのある場所で、テレビはテレビのある場所で楽しむという時代だったが、今後はPCのコンテンツでもテレビのコンテンツでも、スクリーンさえあれば場所を問わず楽しむことができるようになる」(古川氏)

 このような時代をめざして、マイクロソフトはさまざまな業界団体に所属し、活動を行っている。冒頭に挙げたT-Engineフォーラムへの参加はもちろん、情報家電関連分野での取り組みとして、デジタルデバイスの相互接続性を実現する標準化団体、DLNA(Digital Living Network Alliance)や、ネットワーク機器の接続規格を開発するUPnP(Universal Plug and Play)フォーラム、DVDの規格制定や普及活動を行うDVDフォーラムなどにも所属している。

 「マイクロソフトの目指すところは、決してWindowsの独占状態ではない。他のOSと連動して、共働・共生することだ。シームレスコンピューティングが実現することで、ユーザーが新たなエンターテインメントのありかたを発見できるだけでなく、ビジネス界においても生産性が向上し、経済ネットワークが再配置されるだろう」(古川氏)

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