NECインフロンティアは11月26日、マイクロソフトのOffice SystemとIP電話を融合させるソフトウェア「I_Teamesse(アイティーメッセ)」を開発したと発表した。Office Systemと電話を組み合わせるソフトウェアは「世界初」(NECインフロンティア)という。12月18日より販売を開始し、中小企業向けに売り込んでいくという。
マイクロソフトの新しい企業向けアプリケーションスイートOffice Systemでは、電子メール、ワープロ、表計算、プレゼンテーションの各アプリケーションに、インスタントメッセージング(IM)機能が組み込まれている。これにより、利用者は各ソフトを使いながら、連絡を取りたい相手が座席にいるかといったプレゼンス情報が一目で確認できる。例えば、Outlookに届いたEメールの送信者部分に相手の状態が表示され、現在その送信者はオフラインで、連絡は携帯電話へしたほうがいいといったことが分かるようになる。
I_Teamesseではこのプレゼンス情報を利用し、Office Systemを利用しながら、相手の名前をクリックするだけで様々な方法でコミュニケーションが取れるようにする。メールやIMでメッセージを送信するだけでなく、一般固定電話やIP電話、携帯電話に直接電話がかけられる点が特徴だ。
NECインフロンティア第一事業本部IP技術統括マネージャーの小林佳和氏 | |
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NECインフロンティア第一事業本部IP技術統括マネージャーの小林佳和氏によると、「メールと電話を連携させたサービスは他にもあるが、一般的に利用される業務アプリケーションソフトと電話を統合させたのは初めて」という。また、従来は専用のサーバやアプリケーションなどが必要なため、導入には数百万円かかっていたが、I_TeamesseはマイクロソフトのWindows Server 2003上で動作するミドルウェアのため、特別な投資も必要ないという。
I_Teamesseを利用してコミュニケーションを行うためには、相手先の電話番号やメールアドレスなどのデータベースの作成が必要になる。そのため、データベース作成を簡単に行う機能も備えた。メールに付加された署名などのテキスト情報をマウスでなぞり、クリックするだけで自動的に住所や電話番号、メールアドレスなどを解析し、データベースに追加するという。このため、「共有データベースの作成にかかる工数を10分の1に削減できる」(小林氏)という。
NECインフロンティアとマイクロソフトは2002年4月に技術提携を行い、新たなIPコミュニケーションシステムの開発を共同で行ってきた。マイクロソフトは日本の中小企業向けビジネスに力を入れていく方針を表明しており、今回のI_Teamesseにはマイクロソフトも大きな期待を寄せているという。
I_Teamesseの導入費用はSIPゲートウェイ、USBハンドセット付ソフトフォン、IP電話機1台を含む5クライアント構成で30万円から。SIerを通じて販売するほか、他の業務アプリケーションとのバンドルや、IPセントレックスサービスを提供する通信事業者を通じて販売するという。初年度は2000本の販売を目標としている。
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