4月にNetScreenの買収を完了し、新体制となったジュニパーネットワークス。新生ジュニパーのビジョンは、「ネットワークとセキュリティを巡る困難な課題を解決し、顧客の競争力アップに貢献することだ」と、ジュニパーネットワークス代表取締役の大須賀雅憲氏。その新生ジュニパーは30日、旧NetScreenが提供していたOS「NetScreen Screen OS」をIPv6対応とし、同日より販売開始すると発表した。
ジュニパーネットワークスアジア太平洋地区エンジニアリング担当バイスプレジデントのアンドリュー・カワード氏 |
ジュニパーは、以前よりIPv6分野においてリーダーシップを発揮し、IPv6を基礎技術として製品に組み入れてきた。「IPv6はまだ完全に実装が行われているわけではないが、この機能を盛り込むことは非常に重要。ジュニパーがこれまで成功を収めてきたのも、IPv6対応の製品をそろえているためだ」と、同社アジア太平洋地区エンジニアリング担当バイスプレジデントのアンドリュー・カワード氏はいう。
「IPv6は、アジア地域の中でも特に日本で注目されている。ネットワークにつながるデバイスの数が増加し、より多くのアドレス数が必要となるからだ。一方で、IPv6化におけるパフォーマンスや品質への期待も高まっている。また、セキュリティも忘れてはならない要素だ」(カワード氏)
カワード氏は、これまでのジュニパー製品には、ファイアウォールとCPE(Customer Premises Equipment:顧客構内設備)領域におけるIPv6ソリューションが不足していたと述べる。今回発表したScreen OSは、ファイアウォール、IPsec VPN、DoS(サービス妨害)攻撃からの保護、暗号化、QoSなどの機能が追加されており、「サービスプロバイダなどのコアからエンドユーザーまですべての顧客に対し、信頼性の高いIPv6ソリューションが提供できる」(カワード氏)という。
ジュニパーは、現在ハイエンドルータ市場で急速に成長しており、Infonetics Researchの調査では同社のグローバルでのシェアは2004年度第1四半期で約26%。シスコシステムズの約65%には及ばないものの、同社のシェア増加とシスコのシェア減少に関連性があることは確かである。一方の旧NetScreenは、Frost & Sullivanの調査によると国内ネットワークセキュリティ市場のシェアにおいて約20%を握っており、1位のノキアや3位のシスコと市場を分け合うような状況だったという。ジュニパーがNetScreenを買収したことで、同社はルータ市場のみならずセキュリティ分野にも積極的に進出しており、今後ジュニパーとシスコの対決がより鮮明になることは間違いない。
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