ルータメーカーのJuniper Networksは米国時間9日、ネットワークセキュリティプロバイダのNetScreen Technologiesの買収に合意したことを明らかにした。買収条件は、約40億ドル相当の株式交換となる。
この契約では、Juniperが約1.4株の自社普通株とNetScreenの発行済み株式1株を交換する。両社によると、株主や監督機関から合併承認の取り付けに成功すれば、買収の話し合いは2004年の第2四半期にまとまる見込みだという。Juniperの株価が6日の終値で1株29ドル47セントであるため、この買収は総額約40億ドルになる。
Juniperの経営陣によると、この合併によってネットワーキング関連の製品およびサービスの提供にフォーカスし、セキュリティとパフォーマンスに具体的な重点を置くひとつの組織が生まれるという。同社はNetScreenを通じて、特にVPNの保護や、企業ファイヤウォールの構築、そしてネットワークトラフィックの管理を狙った製品など、幅広いセキュリティソフトウェアやハードウェア技術を獲得する。Juniperにとって最大のライバルは、ネットワーキング大手のCisco Systemsだ。
JuniperのCEO(最高経営責任者)、Scott Kriensは声明の中で、「JuniperもNetScreenも、単独でビジネスを成り立たせることが可能なことは証明済みだが、一緒になることでクラス最高の補完的ソリューションを投入し、拡大した市場に対応できる能力の向上を加速させていく。ネットワークユーザーにとってセキュリティ、信頼性、そしてパフォーマンスがミッションクリティカルであるという話は両社の顧客から聞いており、両社が協力することで顧客のニーズに対して魅力的な対応で応えていく」と述べている。
2003年第4四半期にウォールストリートの予想を大きく上回る利益を計上し、株価が1株30ドル近くまで急騰するなど、最近のJuniperは絶好調と言える。Internet Protocolルータに特化する同社はEricsson、Lucent Technologies、およびSiemensといった多数の通信機器メーカーとの提携関係から恩恵を受けてきている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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